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それから僕たちは3人で会う機会が増えた。
放課後は玉突きやダーツ、テスト期間中には勉強会。
長期休みには温泉や海、山など、色んな場所に行った。
そのほとんどは高地の希望で、広大な自然を感じられる閑静な場所が多かった。
北斗とは依然話す機会は少ないけれど、2人きりになった時の気まずさのようなものは段々と減り、軽く会話を交わせる程度にはなった。
海へ出かけた日。
高地が砂まみれになった足を洗っている間
僕は海を眺めている北斗の隣に座った。
「北斗。僕が邪魔だと思うことは無い？」
「えっ…？全然。寧ろ3人だと楽しいです」
「ほんと？」
「はい。…なんか俺たち、空気が馴染んでると思いませんか」
北斗はそう言ってふわりと微笑んだ。
…その通りだ。僕も同じことを思う。3人でいると、物凄く居心地が良い。
「…うん、そうだね。ありがとう」
僕もにっこりと微笑んだ。
「ところで高地のどこが好きになったの？」
「……っ、なんですか、急に」
北斗はきゅっと口を噤んで額をかいた。
恥ずかしい時によくやる仕草だ。
適当に躱せばいいものを、北斗は真面目に言葉を探している。
「……あいつは、俺にとって心臓の一部みたいなもんなんです。
あいつが欠けたら、俺は上手く呼吸が出来なくなると思います」
「……重いな」
「……そうですよね。もう好きな理由なんて分からなくなっちゃいました。高地がただ傍にいてくれれば良いんです」
水平線に太陽が沈みかけていた。
帰ろーぜ！と高地が僕たちを呼ぶ声に
おう！と北斗が片手を挙げて応えた。
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作者名：ななみや | 作成日時：2023年7月9日 18時
