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…どうすればいいんだ、これ。
心臓がドキドキしすぎて息が上がる。
「…北斗、……っ」
そっと振り向けば、目の前にいる北斗とばっちり目が合った。
じっと、ただ見つめあって
まるで磁石のように自然と引き寄せられた。
「…っ、…ん、」
…キスくらいしたことあるはずなのに。
まるで今までのそれとは全く違う行為のように思えてしまう。
「きょ…もと」
ずるいって…北斗も大概だよ。
僕に全部委ねたような顔しやがって。
「…好きだよ、北斗」
…でも、僕の口から出るのはそんな甘ったるい言葉ばかりで。
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僕らは雑にベッドに身を投げて、唇の感覚が無くなってしまうほど、長い間キスをしていた。
照明を少し暗くしているせいか互いの息遣いがやけに近く聞こえて、嫌という程興奮する。
まるで彼が自分のもののように思えてくるのが怖い。
「ん……ん、っ、ぅあ、きょーもと…、」
「…、大我」
「ぁ、…ん、…ぇ？」
「…大我って、電話の時は呼んでくれたじゃん。呼んで」
「た……たいが、」
ふへへ、と気の抜けた声で北斗は笑った。
「…こーちと同じ呼び方」
「…それ、今言うの」
「…だって、羨ましかった。」
北斗の笑顔に少し影が浮かんだ。
…心の中にいる高地が、いまもそんな顔をさせる。
「…高地とはしたの」
醜い嫉妬心を、つい言葉にしてしまった。
馬乗りの体勢になり、Tシャツの中に手を這わせる。
ひたすら濃いキスを繰り返したせいで過敏になっているのか、北斗はびくりと体を震わせた。
「ぁっ……！し、してないっ……！」
叫ぶ北斗の目尻に、涙が浮かんだ。
つうと一筋伝ったかと思えば
ひくひくとしゃくりあげて、泣き出してしまった。
…怖がらせた、のか。
僕は慌てて手をひいた。
「…ごめん。」
「んっ…ひぅ…っ、
…そんなの、聞かないで…。」
昂った熱が、少し冷めた。
「…うん。ごめんね」
僕は北斗の涙を拭った。
…その時、北斗が僕の手を握った。
「…え」
驚いたもつかの間、距離をぐっと縮められ、唇が重なる。
「…北斗、俺は高地じゃないよ」
「…ぁ、んんっ…！」
有無を言わさず、僕は北斗の首に噛み付いた。
そこからはもう止まれなかった。
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作者名：ななみや | 作成日時：2023年7月9日 18時
