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ジェシーはA4サイズの紙を掲げてこほんと咳払いをした。
「…まずは活動の拠点だけど、ここ、大我のバイト先の地下スタジオで暫くはやっていこうと思う。それはいい?」
「うん、勿論。ただで借りられるんだから」
「ありがとう、じゃあ本題。ライブのことなんだけど…2週間後に、ステージが確保出来そうなんだ」
「………2週間後?」
「…うん、知り合いのつてでね。チームって場数を踏んで作っていくものだと思うから、未完成でもまずはやってみるべきかなって」
「……はぁ、」
僕はビックリして溜息を零した。
…流石に、早過ぎる気がするけれど
2人は経験があるから、早くステージでやりたくてうずうずしてるのかもしれない。
「…もし、大我がキツイって言うなら変更するよ。どうする?」
「……やるよ、勿論」
…なんだかワクワクするな。
僕はきりっと眉を寄せて言うと、2人は顔を見合せて笑った。
「here、流石大我だね。…あ、ガールフレンドも誘ってみたら?」
「はぁ?いないよ」
「いるじゃない。いつもやり取りしてる子」
「えー!きょもさん彼女?」
「違う。友達」
…北斗のことを誘うつもりではいた。
みっともない姿を見せてしまうかもしれないけど、彼ならきっと、僕の好きなことを理解してくれる。
「なら早速、演目を決めようよ。
…僕は、桜のあとをやりたい」
僕が言うと、2人は子供のように目を輝かせた。
僕らは次の団体の予約時間まで約3時間 ほぼノンストップで音を鳴らし続けた。
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作者名:ななみや | 作成日時:2023年7月9日 18時