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第1章 不死鳥と呼ばれる少女 8 ページ9

アージェの武器は拳銃。その銃は迷うことなく飛びかかってきたものをめがけて撃たれていた。

(・・・確実に飛び掛ってくるものが人間ではないことを確信していた。出なければあんなにも怖がりなかれは人間かもと思う時点で発砲できないはず・・・。)

美香は微笑んだ。

(状況判断力と、頭の回転のよさ。そして・・・銃に関しての絶対の自信・・・。)

美香はアージェが特殊部隊候補に選ばれた理由を確信した。

「大丈夫ですか。美香さん。早く武器を・・・!」

アージェは落ち着きながらもせかすように美香に言った。

美香はその言葉に笑った。

「み、美香さん・・?」

笑いの意味がわからないアージェは、戸惑っていた。

「まさか、私が丸腰と思っていたんですか?状況判断力はいいのに、そちらに関しては疎いのね・・・。」

そういった次の瞬間、美香の周りに炎の渦が表れた。

「えっ・・・」

美香の炎に驚き、アージェは後ろへと後ずさる。

「おびえなくても良いです。この炎は望むものしか焼けない。そして・・」

美香は弓を引く姿勢になった。

その美香の手には炎で作られた弓と矢があった。

ヒュッ・・・!

美香は力いっぱい炎の矢を放つと、見事にディザイアの心臓部分に突き刺さった。

そして、ディザイアはうめき声を上げ、燃え尽き、紫色の光を放ち、消滅した。

「・・・一体・・・何が・・・」

自分の持つような武器でしかディザイアは破壊できない。

そう聞いていた分、アージェは何が起きたかわからなかった。

そんなアージェを見ず、気絶している人の脈を確認しながら美香は話し出した。

「私の姉が昔、ディザイアを産んだわ。」

アージェからは驚きの声が聞こえた。

それを気にすることなく美香は話を続けた。

「ディザイアは不死鳥だった。その不死鳥は姉の願いをかなえたわ。」

そして、美香は自分の胸に手を置いた。

「この体は私の体じゃない。姉の体なの・・・」

衝撃的な発言にアージェは言葉を失っていた。

しかし、美香は話を続ける。

「姉は私とひとつになりたかったそうよ・・。ディザイアである不死鳥のフェニックスが言っていたわ。だけど、ディザイアが生まれたときにすでに姉は事故により死亡し、肉体は激しい損傷を受けていた。私の意識はその姉の肉体に引きずり込まれ、姉とひとつになったのよ。」

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作者名:鳳かおる | 作者ホームページ:http://vanpaiatatinoohimesama.web.fc2.com/  
作成日時:2014年6月10日 15時

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