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第1章 不死鳥と呼ばれる少女 7 ページ8

「戦います!あなたと!!」

ずっと弱弱しかったアージェは凛々しい瞳で美香に答えた。

美香はうなずくと、さっきより強くアージェの手を握った。

「もちろん、ディザイアを産ませないようにするつもりだけど、もしもの場合は・・」

次の言葉をつづろうとしたその瞬間、情報員が叫んだ。

「ブレイク反応消失!ディザイア反応に変更!」

その言葉に美香は顔をこわばらせた。

「どうも・・・戦わなければいけなさそうね・・・。急ぎましょう。そしてディザイアは人間を傷つける!行き過ぎた欲は殺人を犯す。少し飛ばすけど、つかまって!!」

そういって身かはアージェを自分の胸の中へと引き込んだ。

「えっ・・・」

何がおきたかわからなかったアージェは次の瞬間、また驚くことになる。

美香に引き込まれたその一瞬聞こえたのはゴォォォォという音だけ。

なのに音がやんだ後、先ほどいた場所とは別の景色が広がっていた。

「・・・一体何が・・・」

アージェはぼおっとしていた。

そんなアージェの前に人が吹っ飛んできた。

「う、うわぁぁぁぁ!!」

アージェは目を伏せる。

しかし、どれだけ待っても自分に次の衝撃は来なかった。

恐る恐る目を開けると、そこには先ほどまでとは違う服装に身を包んだ美香が立っていた。

「アージェさん。どれだけ先頭が苦手でも、E.Aのエージェントなら経験はあるでしょう。」

「は・・はい・・。」

美香は先ほど飛んできた人を地面に寝かせた。

「何故あなたが特殊部隊候補かは知らないけれど、あなたはこれからさっき見た化け物と戦うことになる。いつまでもおびえないで!意地を見せなさい!E.Aイタリア支部の代表の意地を!!」

その言葉はアージェの瞳に火をつけた。

「はい!!」

アージェの強気な返事が響き終わった後、気絶した人をめがけて何かが飛び掛る。

美香がその何かに攻撃しようとした瞬間だった。

それよりも早くアージェが攻撃を繰り出した。

(はやいっ・・・!!)

あまりのその行動の早さに美香は目を疑った。

そして、目の前に移るのは先ほどまでとは別人のような、離れしたプロのエージェントの風格漂わせるアージェだった。

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作者名:鳳かおる | 作者ホームページ:http://vanpaiatatinoohimesama.web.fc2.com/  
作成日時:2014年6月10日 15時

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