第1章 不死鳥と呼ばれる少女 3 ページ4
「あ、あの・・本部長・・」
永遠にでも続きそうなやり取りの中に、一人の青年が近づいてきた。
「あら、どなた?」
一番最初に第一声を放ったのは美香だった。
それに答えるように誠人がその青年に手を向けた。
「彼はルチアーノ・アージェ。イタリア支部の特殊部隊候補です。」
誠人の紹介が終わると、アージェは一礼した。
それにつられ、美香と万姫も一礼した。
「私は鳳美香よ。こちらは劉万姫。」
美香の紹介が終わると、万姫は微笑みかけて「よろしくね」といった。
「お二方とも・・よろしくお願いします。」
アージェも少し微笑んだ。
アージェはあまりはつらつとした性格ではないようだった。
「ところでお父様。特殊部隊候補ということは、アージェさんもブレイク処理仕事メインになるのですか?」
その言葉にアージェはびくっと反応した。
その反応に気づいた万姫は目を細めてアージェを見た。
「実のところ・・まだちゃんと説明を受けていないらしくてね・・・。それで、現物を見せて説明しようと思ってここへつれてきたんだ。アージェ。ついておいで。」
誠人が優しく話しかけるとアージェはうれしそうに「はい!」とこたえて誠人の後ろに引っ付いた。
「・・・きにくわないわ。」
美香は笑顔だ。
言動とは裏腹の表情に万姫は「おいおい・・」と突っ込んだ。
「冗談よ。・・・半分は。」
「って、半分本気なんじゃないの!」
何を話すにしても笑顔の美香。
万姫はあきれながらもそんな美香が大好きだった。
「気になるんなら私たちもいきましょう!第一・・」
万姫が何かを言おうとしたその時だった。
「万〜姫!指紋かしてくださ〜い!」
誠人が走って戻ってきていた。
「貸せるか!!」
万姫は本気で突っ込んだ。
(そういえば、あの部屋は万姫の指紋がなかったら入れなかったわね・・・)
結局、そう言うわけで万姫と美香も誠人とアージェについていくことになった。
「まってて。あけるから。」
そういって万姫は部屋の指紋認証の機械をいじりだした。
その待ち時間、美香は自分を見つめる誠人の視線に気づいた。
「・・・どうかなさいました?お父様・・」
不思議そうに問いかける美香に、誠人は苦笑いした。
〜おまけ〜
隊員ナンバー5 社義(やしろぎ)竜(りゅう)
隊員ナンバー6 桃宮(ももみや)愛樹(あいき)
隊員ナンバー7 桃宮(ももみや)愛也(あいや)
続く
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作者名:鳳かおる | 作者ホームページ:http://vanpaiatatinoohimesama.web.fc2.com/
作成日時:2014年6月10日 15時