ひとりごと【作詞】

夏を想う ページ9

曇天の空に 篠突く雨
彼女の好きだったバンドが
僕のイヤホン越しに
「やまない雨はない」と歌うけれど
雨がこのまま止まなきゃいいのに
なんて僕は思ってしまうのだ
夏の予感、しめっぽい感傷
蘇るは駆け抜けた記憶

子供の頃の夏を思い出してる
駆け抜けた原っぱ 青草の匂い
篠突く夕立にもあんなに夢中になって
そんな夏でした


貫くような陽が 僕を照らして
ずっと眺めていた曇天を
消し去ってしまった
そんなふうに僕の夏も何処かへ行って
帰ってこなくなったのだ
僕の夏はあの日から来ないまま
夏の様相、生きながらに死んでいる
手のひらに残る夏の匂い

大人になった夏はつまらなくて
今日も昨日と同じ 日々の繰り返し
焼け付くような陽の下 首を括る準備
そんな夏になった


都会の喧騒に疲れてしまった
あの頃の思い出 忘れたかったんだ
けど夏の色は 夏の匂いは
僕を責め立てるのだ

子供の頃の夏が掴みかかる
そんな夏なら 来なけりゃいいよ
無茶言うなよ そりゃ僕だって
こんな夏では


子供の頃の夏を思い出してる
駆け抜けた原っぱ 夏草の匂い
たまには悪くないな 照りつける日差しも
そんな夏でした

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