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地方都市幸福論 ページ39

お前なんか死んじまえ
吐き捨てた夜闇に水溜り

生きるか死ぬか
人生ってのは結局二択で
死ねば苦しみからは解放されど
楽しみも嬉しみも感じることはない

何もかもうまくいくとか
そんな都合のいい話ある訳無くて
出来損ないの僕らには尚更

もう何されたって平気だ ってのは
地獄を知って初めて言えるもんだ
全人類、当然地獄は知らねえ
例え話で小耳に挟む程度の地獄で
素面になって初めて気付く程度の偽善で
絶望とはよく言えたもんだ

望みは絶えたと書いて絶望と読むが
心がある限り僕らの中に希望は絶えず
理想と見分けのつかない希望は
妄想となって脳裏によぎる

それを嘲笑う馬鹿な大人共に
心の中で舌打ちして
背広を睨みつける午後三時

ふと足をとられて躓いて
気づいた時には誰も居なかった

唯一僕を見下ろしていた
彼に声をかけてみようとして
少し顔を上げて言葉を呑み込んだ
呑み込まざるを得なかった

その手に構えた機械で
惨めな僕を撮っている利他

それで誰かが喜ぶならば
ってそんなふうに思える訳ねえよ

隠し持ってたナイフで刺した
刺し違えたっていいや
ってそんなふうに思える訳ねえよ

いっそのことあの子じゃなくていいや
誰でもいいから僕を満たして
後悔なんてするわけねえよ
って言う奴ほど後悔するもんだ

差し伸べた救いの手にナイフ忍ばせて
素面か否かの区別もつかねえ

精神患者の残忍性は
僕らも持ちうる獣の本能

大嫌いなアイツじゃなくていい
誰だっていいから
殺させて 殺させて 殺させて 殺して

そうして奪い取った命を
僕らは罪と呼び 悪と詠んだ

ただその背徳感だけが
僕らの生きている証明

誰かの死体踏んづけて歩いて
気づかないうちに苛む背徳感

僕らはそれを希望と説いて
生きる証明を亡者になすりつけた

その行為を利他と呼んで
エゴと利他は紙一重の世

このふざけた俗世を世界と呼んで
群がり犇めく雑踏を命と呼んだ

そして廻る輪廻に還れなかった僕らと
忘れた旅路に希望の光を

あの難破船をどうか救って
還れなかったあの子をどうか殺して

殺させて 殺して
無垢なあの笑顔を無垢なまま失くさせて
殺して 殺して

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設定タグ:作詞 , オリジナル ,   
作品ジャンル:詩/ポエム, オリジナル作品
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ふぃろ(プロフ) - 弓乃さん» ありがとうございます!ただ暗いだけの詞も、仄かに光を残す詞も、闇雲とも言えるがむしゃらな希望を描いた詞も好きなので…色々書いてみます!励みになります。 (2018年11月14日 18時) (レス) id: 8698e4860f (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - 凄いですね…圧巻されます。病んでる系好きです。頑張って下さい! (2018年11月14日 15時) (レス) id: 37f466ffe8 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃろ(プロフ) - Redさん» ありがとうございます!!!!とても励みになります……!!!! (2018年11月8日 19時) (レス) id: 8698e4860f (このIDを非表示/違反報告)
Red(プロフ) - 語彙力のない私にひとこと言わせてください…とってもすごいです!「逃避の果てに自由」はなんか自分の気持ちを叫んでいるみたいな感じで、「望郷」は旅立つ友達を悲しいけど笑顔で送り出している様な感じがしました。これからも頑張ってください!応援してます! (2018年11月8日 17時) (レス) id: 90b194bf6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふぃろ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/0fg38d551227/  
作成日時:2018年11月6日 19時

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