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あーかわいい。
困ったように、髪に触って耳にかける。
あれ?
今日はイヤリングしてる。
いつも女の子の君がこうやって少しでも背伸びして大人っぽくしてるのが可愛くて、「ほら、翔太って」と腕を突っついてみた。
「しょ、しょーた、さん」
言いづらそうにそう小さく呟く君があまりにも可愛くて。
「あはは!」って笑うと君は耳まで真っ赤にして、ぎゅっと唇を嚙んだ。
翔「しょーたくん、でしょ?」
翔太さんって呼ばれるのは目に見えてたから、なんとなくそう言ってみたがきっと彼女は呼び方を変えないだろうなぁ、と目の前の景色を見ながら考えると、「しょーたくん」って小さな声が聞こえて、不意にも胸が反応した。
翔「はぁーい、なんですか、A?」
不意にAって呼び捨てした俺に彼女はハッとして視線を泳がせて俯いた。
本当に可愛いなぁ。
「これが、デートなんですか・・・」
翔「そうだよ」
小さく困ったように呟くのが純粋な君らしくて、「もっと俺が教えてあげる」ってそう言って彼女に向かって俺の中で一番のスマイルを向けたら彼女は分かりやすく目を逸らした。
翔「(笑)」
あぁー5歳年下の恋愛経験ない子引っ掛けた俺、大正解。
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「わぁ〜、すごーい!」ってはしゃぐ君。子供。でも、可愛いなぁ。
「翔太くん、見て、ペンギン!」って奥を指す君。
最近はこんなピュアなデートなんかしなくなったからこそ、彼女の笑顔は新鮮で。
恥ずかしそうに「翔太くん」って呼ばれるのも、あんまないしな。好きだわ、その「翔太くん」。
翔「水族館なんて、久しぶりだな」
そう呟くと君は「そうなんですね?」と俺を見上げた。
翔「うん、」
ここ最近は、車でアウトドアなデートなんてなかったからね。
バー行って、ホテルに直行ですよ。
なんては言えずに「ちゃんとしたデート、久しぶりだわ(笑)」と笑うと彼女は嬉しそうにした。
「イルカだー!」
翔「ふふ、はしゃぎすぎ」
「あ、ごめんなさい(笑)」
イルカを前に興奮したのか「みてください!」ってイルカを指差す。
俺が同じ方向見てるって分かんないのかな。
好きなものを共有したくなる女の子だから、君が楽しそうに俺に「ほら!」って好きなものを見せるの好きだったりする。
イルカショーが始まるちょっと前、君は「ここなら濡れないですね!」とだいぶ後ろの席に座って微笑んだ。
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ゆい - おもしかったです!更新楽しみにしています! (2018年5月10日 7時) (レス) id: a62c72f2bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆりーる - lovetune houseを読んでて今回もすごくおもしろいです!うまく言えないんですけど作品全体がすごく好きです!これからも楽しみにしてます。 (2018年3月9日 22時) (レス) id: ab2e82bdbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年2月23日 2時