レッド・ローズとカクテル 6 ページ26
「まず、停電のあと菊は気絶し、アルとマシューは隠れていた。そうだな?」
「はい…Aさんに1人でルビーを盗りに行かせる形になってしまって。申し訳ありません」
「あれは仕方ないですよ」とマシューが励ます。
「アーサーさん。
確かに停電はしましたが、その後ルビーは何事もなかったかのように『置いて』ありました。
なのに、貴方が『双子が誘惑のルビーを盗っていった』と言って僕たちをここに連れてきたのは…」
「そうだ。
元からルビー付近に待機していた俺は、消灯後に予め持ってきていたルビーを替わりに置いた。
『盗まれた』と騒ぎになるようじゃ、退場も困難になるからな」
「へえ!」とフェリシアーノは感嘆した。
「そんなことやってたんだ。やっぱりプロは意識が違うね〜」
「…お前らもだろ、内線ジャックしやがって」
アーサーはフェリシアーノを睨みつけた。
「内線ジャックだって?!だけど俺たち、異常は確認してないぞ」
「違うよ、わんちゃん」
「わんちゃん!?」アルフレッドは耳をぴん、と立てた。
「君たちの内線に細工は施してない。Aのものに細工したんだ。一緒に踊ってる間にね。…おっと、
ごめんね?執事さん」
「…いいから続けろ」
はあい、と気だるげな声を出す。
「それで、俺はそっちの''双子''に成りすまして彼女に内線を通した。
『ライトは俺たちが消すから戻っていい』ってね。
多分口調も声色もすこーし違ったと思うんだけど、彼女は気がつかなかったみたい」
「知り合ってまだすぐですもんね」
「フォローみたいなのやめてくれるかい!」と、アルが叫んだ。マシューは苦笑いしている。
「そして俺の兄ちゃんが消灯して、彼女を俺が捕まえたわけ。…そして君は、その様子を全部暗視双眼鏡で見ていた。そんなところかな?」
「正解だ」
「うわ、敵には回したくないぞ…」
「もう1回回してるだろ」
菊が口を開く。
「あの、貴方のお兄さんはどちらに?」
「ああ、裏だよ。あんまり男性には社交的じゃないんだよね〜。
…あ、A、もう終わったみたい。
こっちに戻ってくると思うから、待ってなよ」
そう言うフェリシアーノをアーサーはじっと見つめた。
「…こちらの情報もよく知っている。
盗みのセンスもまあ小賢しいが悪くない。
お前たちは、何者だ?」
「…」
フェリシアーノは、きょとんとした顔でアーサーを見、にこりと笑った。
「…ただのバーテンダーだよ。
ちょっと、経営にお金が必要なだけ」
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奏理奈(プロフ) - 元気そうで良かったです(*^^*)次の更新を楽しみにしてます! (2017年12月29日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - 奏理奈さん» ありがとうございます!忙しいのですがなんとか時間を作って来れています(っ´ω`c)コメントありがとうございます〜! 奏理奈さまもお体に気をつけてくださいませ〜(*´`) (2017年12月29日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 最近更新早いですね!嬉しいけどお身体にきおつけてください(*^^*)ここで止められると続きめっちゃ気になります! (2017年12月28日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 久しぶりにアーサーメインですね!ルート導入による先のてんかいが楽しみです!更新頑張ってください(*^^*) (2017年12月27日 20時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - めりかなさん» アーサー「おかえりなさいませ、主。こんな時間まで夜更かしして…私と過ごすのを待っていたのですか?ああ、プレゼントはいつもの3倍の賃金で結構ですよ。二人きりで、良いクリスマスにしましょうね?」 (2017年12月25日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hometotop/
作成日時:2017年10月3日 0時