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だって年上だもの:1 ページ2

「…稲荷の札、ねえ」

カタログをみながらクッキーをつまむ。
あ、勿論私が作りました。

「ねえ、アーサー。コレはどうかな」
ロッキングチェアを揺らしながら、後ろにチラシを渡そうとした…

「っ!?」

「隙あり」

銀の盆に紅茶をのせたままキスができるくらい、
この男は器用だ。

…料理以外は。

「やめてよ、恋人じゃあるまいし」

「つれないですね。私はこんなに想っているのに」

ふい、と顔を背けた私に笑いかけるアーサー。

戯れなのか本気なのか。
どちらにしても、此奴のキスはスキンシップだ。

「稲荷の札?今度はこれが欲しいのですか」

「うーん。でもなあ。最近体鈍ってるし、
ちょっと後回しでも良いかなって」

「他の者に盗られてしまいませんか?」

カモミールの香りが鼻をくすぐる。

「それがなんでも、
札がある神社には本物の稲荷がいるらしいの。
札目当てで訪れた者たちは、みな呪いを受けると」

昔は怪盗も恐れ知らずで、こうやって下調べなんかせずとも思い立ったらすぐ行動していた。

今はもはや怪盗自体が時代遅れであり、
結局は、カッコ良くもなんともない、
ただの『泥棒』扱いなのです。

「…くくっ」

黒手袋をはめたまま、口元を抑えるアーサー。

「何か笑う理由でも〜?」

「い、いえ…失敬。我が主は、
呪いを気にしておられるのではありませんよね?」

「なっ」

笑いが止まらない、といった様子で続ける。
まったく生意気な…

「呪いなど、私が変わりに受けて立ちますよ」

涙を拭きながら笑顔で話す奴に、カチンとくる。

「あーはいはい!どうせ私は怖がりですよっ」

「ああ、怒らないでください!
すぐ明日にでも稲荷の札、盗りに参りましょう」

「やめる、違うのにする」

「主、拗ねてるのですか?」

私の腰に手を回して、距離を近づける。


「先程は大変失礼致しました。…お許しを」

「わ、わかった!
わかったから、その手をどけなさい!」

「いいえ、私は主が『許す』と言ってくださるまで
離しません…!」






「ちょーっとお取り込み中いいかな?」







「何しに来やがったクソ髭」
「お前2話目で口調崩れるってヤバすぎでしょ」

だって年上だもの:2→←Prologue: 見破れない



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奏理奈(プロフ) - 元気そうで良かったです(*^^*)次の更新を楽しみにしてます! (2017年12月29日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - 奏理奈さん» ありがとうございます!忙しいのですがなんとか時間を作って来れています(っ´ω`c)コメントありがとうございます〜! 奏理奈さまもお体に気をつけてくださいませ〜(*´`) (2017年12月29日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 最近更新早いですね!嬉しいけどお身体にきおつけてください(*^^*)ここで止められると続きめっちゃ気になります! (2017年12月28日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 久しぶりにアーサーメインですね!ルート導入による先のてんかいが楽しみです!更新頑張ってください(*^^*) (2017年12月27日 20時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - めりかなさん» アーサー「おかえりなさいませ、主。こんな時間まで夜更かしして…私と過ごすのを待っていたのですか?ああ、プレゼントはいつもの3倍の賃金で結構ですよ。二人きりで、良いクリスマスにしましょうね?」 (2017年12月25日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hometotop/  
作成日時:2017年10月3日 0時

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