【APヘタリア】その怪盗、見習いにつき。

Prologue: 見破れない ページ1

草木も眠る丑三つ時。
月も雲に隠れ、怪しい夜。

「…A様、宜しいですね…？」

ベッドの毛布がごそごそと動く。

「やっ…アーサー、そんな…ぁっ」

「今日も守ってあげたでしょう？
はやく、ご褒美ください」

涙目になる私の顔を見て微笑むこの性悪眉毛は、

私のボディガード兼執事。

名は、アーサー・カークランド。

うちの家系は代々貴族の仮面を被った怪盗。
貴族に見せかけるためにお抱えだった執事の家系と永久契約してからは未だに親交があり、

私はその怪盗系貴族の末裔、彼は執事(今はボディーガードも兼ねているらしい)の家系らしいのです。

「集中してください、A様」

私の頬を撫でるアーサー。

「…私もそんなに我慢強い方じゃないのですよ」

「んんっ…！ふ、あ…っ」

そして相変わらずこいつのキスは長い。
上手いのがまたムカつく。

「ふう。お疲れ様でした、A様。満足です」

「…それは結構なことだわ、アーサー。
本日の報酬はこれで良いのね？」

「ええ勿論！
さあ、私を踏むなり嬲るなりして下さい！」

基本的に忠実で有能なひとだけれど、
どこか歪んでいる…。

あと、なんか企んでる気がする。
気をつけないと足元を掬われそうだ。
「私は貴方専用のボディーガード、兼執事。


何をしてくださっても、良いのですよ？」


「じゃあ、次のお宝を盗るのを手伝ってよ。
他の奴らに盗られる前に」




「….かしこまりました。我が主」

だって年上だもの:1→

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