真っ直ぐな言の葉 ページ41
マックside
途中で言葉が詰まり、咳き込みながらも、トムは言葉を紡いでいく。
「がむ、ちゃ」
「はーい、ガムちゃんですよ」
「ふふ、…いつも面白くて、みんな笑かしてくれて。馬鹿に見え、て真面目やから…溜め込ん、だらあかんで?」
「トムを笑わせる為ならなんでもやりますよ?馬鹿にやってなるで!」
「おん、知っとる。笑かしてくれて、ありがとぉ」
「こちらこそやで、ありがとぉな」
涙を堪えながら、いつもの癖のある笑顔でトムの頰を撫でるガム。それをトムは甘んじて受けとった。
「じゃっ、きー」
「なんやトム」
「…おかんで、八重歯長くて…怒ると怖いけど」
「八重歯と怖いは余計や!」
「ふふっ…そう、やって突っ込んでくれて、周り見てくれて…ジャッキーにはべんきょ、もナイフも、料理も、沢山教わった、なぁ。ジャッキーおらんかったら、多分ここま、で生きとらん、ね。ほんまにありがとう」
「まだまだこれからやで。お前にはぎょーさん教えなあかんことあるからな」
トイプーみたいな目に涙を浮かべて、それでもニッ、と八重歯を光らせながら笑うジャッキーに、トムも安心したように笑い返した。
「あーせなる、」
「ん」
「アーセナルは無口やし、いつも眉間に皺寄せ、とって怖く思われがち、やけど。いつも冷静で、的確なスナイプ能力は、本当に憧れ、やった。アーセの抱える、罪は、みんなの、罪やからな?忘れんでや」
「…スナイプならお前も負けとらんやろ」
「っ、アーセに教わった、んやで?当たり前やん。歌声も、好き。またカラオケ、行きたかった、なぁ」
「…お前の為ならいつでも歌ったる」
「へへ、っ、楽しみ、やなぁ…ありがとぉ」
トムに触れようとして、一瞬引っ込めたアーセナルの手を、トムがゆっくりと握る。
それに目を見開いたアーセナルは、ふ、と息をつくと優しく握り返した。
真っ直ぐな言の葉
(紡がれる、言葉にのる強い想いと)
(時間とともに弱くなる、生命の光)
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もも - はじめまして、いつもとても楽しませて頂いていました。続き楽しみにしています。いつまででも気長に待ってます。ゆっくり、無理なさらず、ご自分のペースで頑張ってください!! (2019年12月8日 14時) (レス) id: e553bc82f3 (このIDを非表示/違反報告)
さすけん(プロフ) - 初めまして、いつも続きを楽しみに読ませていただいています。途中のトムの手紙のところで号泣し、最近は更新ごとに泣いてます。次の更新をいつまでも待ち続けるので、無理しない程度に頑張ってください!風雅さん大好きです。これからも応援しつづけます!! (2019年12月3日 23時) (レス) id: 3cfe6e774f (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - みけねこさん» みけねこ様初めまして。コメント頂きありがとうございます。貴重なお涙を頂いてしまったとのこと、本当にありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。ファントムと彼等の想いを大切にしながら執筆して参ります。最後までお付き合い頂けますと幸いです。 (2019年11月18日 2時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 彩葉さん» 彩葉様、初めまして。コメント頂きありがとうございます。拙い言葉と文で読みにくい箇所も多々あるかと思いますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。大倉さんの想いを大切にしながら執筆して参ります。引き続き最後まで何卒よろしくお願い致します。 (2019年11月18日 2時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。最初から読ませて貰いました。夢中で読んでました。涙が止まらないお話もあったりして、また更新されるのを楽しみに待ってます。 (2019年11月16日 23時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風雅 | 作成日時:2015年8月1日 0時