【wrwrd】ph13【kn】 (ページ5)

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「…ボロ臭い所やな」

石で出来た階段を登りきると、木造の拝殿が姿を現した
所々蜘蛛の巣がかかっており、とても管理されているようには思えない

拝殿の敷地内に入ると同時、不思議と先程まで酷かった吹雪はピタリとやんで久しぶりに視界が定まった

空を見上げると、また雪が落ちてきそうなグレー色に染まっている

…吹雪が止んだからなのだろうか、どこかから誰かのすすり泣く声が聞こえてきた

助けを求めているかのような、そんな悲痛に満ちた泣き声

普段なら無視しているのだろうが、その声に何故か懐かしさを感じ声の主を探す

色々と歩き回っていると、この拝殿の中から声が聞こえているのだと分かった
…神社の拝殿なんて勝手に入っていいものなのかは分からないが。

そもそもこんな古びた状態で放置されているし、神主も誰もいないだろう
そう判断して、拝殿の中へと入る扉を開けた

「……は、子供…？」

拝殿の中で泣きじゃくっていたのは、ふわりとした金髪にボロボロのサッカーユニフォームを身にまとった5歳ぐらいの男の子だった
俺が入ってきた事に気がついた男の子は、一瞬泣き止んでこちらを見る

その瞳は吸い込まれそうなほどに綺麗な空色だった

「こんなところで何しとん？」

「分からへん…っ、誰も、誰もおらん……お母さんもお父さんも、俺のこと邪魔やって……っ、どっか行ってろって、俺どこ行けばいいんか、わからへんっ……！」

そう言いながら再び泣き始める男の子。
その姿が自分の昔の姿と重なって見えてしまい、少し苛立ちながら男の子に声をかけた

「あんな、こんな所子供が来る場所じゃない。外も寒いし、そんな格好じゃ風邪ひくで。はよ帰りや」

「嫌や……、帰っても居場所ないもん……っ」

「ここもお前の居場所ちゃうやろ」

「分かっとる……、分かっとるんや………っ、………分かった、帰る。……その前に、お兄さん……一言言わせてや」

「……なんや」

おもむろに立ち上がり、俯いたまま俺の目の前立つ男の子

ﾊﾞｯと勢いよく顔を上げたかと思うと、湧き上がる殺意を映した瞳と憎悪に歪んだ表情を俺に向け、涙を流しながら叫んだ

「全部お前のせいなんだよ！！！！」

その言葉が耳に入った瞬間、どこから取り出したのか男の子は鋭いナイフを振りかざし

いとも容易く、そのナイフで俺の喉を切り裂いた