中耳炎（桃）2 ページ10
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痛み止めが効いたようで、祐くんはスヤスヤと寝息を立て始めた。
座薬を嫌がってかなり泣いていたから、もう少し寝付くまでに時間がかかるかと思っていたけど、案外あっさり寝てくれたので良かった。
「ごめんね、疲れてるのに。」
一息ついたところで寝る支度をしている成亮さんに謝る。
「俺だって親なんだから、当たり前でしょ。
それに、疲れてるのはAだって同じじゃん。
ずっと祐のこと抱っこしてあやしてたんだし、Aも今のうちにゆっくり休もう。」
祐くんのことが気になりながらも、成亮さんの言うとおり体は疲れていたから、割とすぐに眠りについた。
2時間半くらい眠ったころ、私は祐くんの泣き声で目が覚めた。
痛み止めが切れてしまったみたいだ。
成亮さんも目が覚めたようで、祐くんを心配そうな目で見つめている。
「あ、耳垂れ。」
突然、成亮さんが顔を上げて私に言う。
「え？」
抱っこをせがむ祐くんを抱き上げながら聞き返す。
「風邪から中耳炎になっちゃったのか。
耳が痛くてグズってたんだ。」
「ちがうぅ、祐くん、お耳痛くない
亀梨先生のとこ、行かないもん」
どうやら、成亮さんの言っていることは当たりみたいだ。
耳鼻科に行きたくなくて、黙ってたのか。
「私、学校に今日仕事休めるか聞いておく。」
「ごめん、そうしてくれると助かる。
こっちも今、人手が足りなくて。」
幸い子育てに理解のある職場で、急な子供の体調不良のときは、快く休みをくれる。
今日も、お子さんについていてあげて、とありがたい返事を戴いた。
もちろんその分、普段はマジメに仕事はしてる。
「祐くん、亀梨先生のところ行こっか。」
成亮さんに抱っこされている祐くんに声を掛ける。
「イヤ！行かないもん！元気！」
いやいや、痛くて泣いてたじゃん。
「亀梨先生、優しいだろ？
いっつも遊んでもらってるじゃん。」
成亮さんと亀梨先生は、病院の同期で仲がいい。
家に遊びに来たときは、祐くんも亀梨先生の膝の上で楽しそうにしているのに、病院で会うとなるとやっぱり嫌みたいだ。
その気持ちは痛いほど分かる。
「だって、いつもと違うお洋服着てるもん。」
「もう、そういうところ、お母さんそっくり。」
成亮さんから視線を向けられて、思わず俯く。
誰だって、スクラブ着てるよりも私服着てるときの方が良いなって思うよね？
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かな - このお話大好きです！更新まってます！ (2019年3月15日 20時) (
レス) id: 370aedeca5 (このIDを非表示/違反報告)
まさ - 更新楽しみにしてます！ (2018年12月30日 11時) (レス) id: 1a9a4a3f85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いております。リクエストなのですが、主人公ちゃんが体調を崩してしまったけど、それを隠してシゲと外に出かけてその出かけた先で主人公ちゃんが倒れてしまうようなお話が見たいです！ (2018年11月20日 7時) (レス) id: d682aba4cc (このIDを非表示/違反報告)
はるあ(プロフ) - 増田くんお医者さんバージョンも見たいです！ (2018年11月12日 11時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
gaku2010aya(プロフ) - はじめましてです。いつも楽しく読んでます。もしよければ、ゆうくんが体調を崩して入院してしまうお話が読みたいです。よろしくお願いします (2018年11月11日 23時) (レス) id: 745be5a5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2018年11月4日 10時
