中耳炎（桃） ページ9
成亮Side
急変なら搬送やらが重なり、ようやく明け方家に帰ることができた。
翌日の勤務が始まるまで少ししかないときは多くのスタッフが病院に泊まるけど、俺は家族の顔を見に帰る派だ。
負担は負担だけど、それだけでどんなに疲れていても力が湧いてくる。
寝ている2人を起こさないように、そっと玄関を開けたけど、家の中からは祐のグズる声とAがあやす声が聞こえてきた。
何があったのかと慌てて中に入ると、Aが安心した顔を向けてきた。
反対に、祐は俺を見てAの胸に顔を擦り付けた。
お父さん、その反応はかなりヘコむんだけど。
「どうしたの？」
「なんか、夕方あたりから熱出しちゃって。
それでも明け方まではここまで機嫌悪く無かったんだけど、どこか痛くて起きちゃったみたいで、それからはずっとこう。」
Aが、心配そうな目で祐を見つめる。
俺も祐に近づくと、祐はAに抱きつく力を強くした。
本当に、母親そっくりなんだから。
「ゆーう、お父さん、なんにも持ってないでしょ？
お顔みせてよ。」
祐はチラリと俺の方を確認したあと、手を伸ばしてきた。
Aと交代して抱っこした祐の体は、かなり熱い。
「たいおんけい」
口だけでAに伝え、祐に見えないようにこっそりと体温を測る。
測定終了の音で体温を測られていたことに気づいた祐は、怒って再びAの元に戻ってしまった。
持ってきたのはAだし、共犯だぞ。
「うそつき。貴くんに怒ってもらうもん。」
祐にとって、叱られたら1番怖いのは貴久さんだ。
「ごめんって。
祐、どこが痛い痛いなの？」
「痛いことするもん。」
本当に母親似だ。
「痛いことをするかもしれないけど、ずっと痛い痛いのままだったらイヤでしょ？」
段々と成長していくにつれ弁が立つようになり、説得も大変になってきた。
成長は嬉しいんだけど、成長するなら病院嫌いも少し克服して欲しい。
「祐くん、痛いの放っておいたら、もっと痛いことしないといけなくなるんだよ？
だったら、早く治してもらった方がいいんじゃない？」
どの口が言う。
奥さんをお前と呼ぶのには抵抗があるけど、お前が言うな。
結局、診察したからといって治療が出来る訳ではない上に、診察で泣くことで体力を奪いたくないということで、痛み止めで様子を見ることにした。
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かな - このお話大好きです！更新まってます！ (2019年3月15日 20時) (
レス) id: 370aedeca5 (このIDを非表示/違反報告)
まさ - 更新楽しみにしてます！ (2018年12月30日 11時) (レス) id: 1a9a4a3f85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いております。リクエストなのですが、主人公ちゃんが体調を崩してしまったけど、それを隠してシゲと外に出かけてその出かけた先で主人公ちゃんが倒れてしまうようなお話が見たいです！ (2018年11月20日 7時) (レス) id: d682aba4cc (このIDを非表示/違反報告)
はるあ(プロフ) - 増田くんお医者さんバージョンも見たいです！ (2018年11月12日 11時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
gaku2010aya(プロフ) - はじめましてです。いつも楽しく読んでます。もしよければ、ゆうくんが体調を崩して入院してしまうお話が読みたいです。よろしくお願いします (2018年11月11日 23時) (レス) id: 745be5a5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2018年11月4日 10時
