風邪4 ページ4
成亮Side
事故らないように気を付けながらも、極力急いで学校へと向かった。
「失礼します」
Aが具合が悪いときに何回か迎えに来たことがあるから、保健室の場所はもう覚えている。
「あ、おつかれ。
加藤先生、疲れてたのかベッドに横になった瞬間に寝ちゃったよ。」
恩知らずなことだが、Aの寝顔を見たのかと思うと俺の特権が奪われたような気がして少し悔しい。
「連絡ありがと。高熱ってどのくらい？」
「さっきは39℃近くあったよ。
昼前に保健室に行った生徒の話じゃ、昼前は微熱程度だったみたい。」
なるほど。
だったらさらに上がっているかもしれない。
寝ているところを起こして診察するのは大変だから、寝ているうちにやってしまおう。
そう思い、聴診器を取り出してベッドサイドへ行った。
カーテンを閉め、起きないようにそっと体の向きを変える。
Aは少し声を上げたが、起きなかった。
ずいぶんしっかり眠っているのか、服を捲っても寝息をたてたままだ。
今は好都合だけど、それだけ疲れが溜まっていたのかと思うと申し訳なくなる。
仕事と子育ての両立を毎日頑張ってくれているんだ。
仕事が忙しい俺は、家にいるときは出来るだけ手伝おうと思っても限度がある。
少しでも刺激を減らそうと聴診器を手で温めてから、Aの胸にあてる。
もしここで目が醒めたら、俺は変態呼ばわりされるだろう。
それだけはゴメンだ。
子供のころ流行った、犬を起こさないように骨を取るゲームみたいだと思いながら、胸の音を聴いていく。
心拍数がかなり高いのが心配なところだ。
「んんっ…」
あ、ヤバい。
ちょうど聴診を終えたタイミングで、Aが動き出す。
あと少しで、服を元に戻すところまでできたのに…
「ん？あれ？成亮さん？」
状況が分かっていなかったAも、俺が持っている聴診器と自分の今の格好で何をされていたか悟ったらしく、熱で赤くなっていた顔をさらに赤くさせて布団を被ってしまった。
「ばかぁ…へんたい…」
いやいや、それ以上のことやってるだろ、と思うけど、そんなことを口にしたら再起不能なほど関係が悪化しそうなので黙っておく。
「布団被ってたら苦しいでしょ？
これから熱測るっていうのに、熱上がっちゃうよ。」
そう言うと、高熱と思われるのがよっぽど嫌らしく、Aは素直に布団から出てきた。
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かな - このお話大好きです！更新まってます！ (2019年3月15日 20時) (
レス) id: 370aedeca5 (このIDを非表示/違反報告)
まさ - 更新楽しみにしてます！ (2018年12月30日 11時) (レス) id: 1a9a4a3f85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いております。リクエストなのですが、主人公ちゃんが体調を崩してしまったけど、それを隠してシゲと外に出かけてその出かけた先で主人公ちゃんが倒れてしまうようなお話が見たいです！ (2018年11月20日 7時) (レス) id: d682aba4cc (このIDを非表示/違反報告)
はるあ(プロフ) - 増田くんお医者さんバージョンも見たいです！ (2018年11月12日 11時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
gaku2010aya(プロフ) - はじめましてです。いつも楽しく読んでます。もしよければ、ゆうくんが体調を崩して入院してしまうお話が読みたいです。よろしくお願いします (2018年11月11日 23時) (レス) id: 745be5a5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2018年11月4日 10時
