中耳炎（桃）4 ページ13
ASide
これも祐くんのためだと思い、凶器を持って迫ってくる亀梨先生に、必死で平気な顔を作る。
怖くない怖くない怖くない怖くない！
心の中で念じてひたすら耐えていると、ようやく開放してもらえた。
「ほら、お母さんも頑張れたから、祐くんも頑張れるよ。
お父さんも、祐くんが頑張ったって聞いたら、いっぱい良い子いい子してくれるよ。」
祐くんは、しばらく真剣に悩んでいるようだった。
そして、ついに頷いた。
嫌な椅子に座ったまま、祐くんを抱き上げる。
「そうそう、そこで固定しててね。」
私にしがみついてくる祐くんは小さく震えていて、頑張っているのが伝わってきた。
画面には、祐くんの耳の中が映し出されている。
見たところでよく分からないんだけど、とりあえず膿が出ているのだけは分かった。
「はい、頑張った頑張った。
Aちゃん、ここの写真のコレ、かなり腫れてるの。」
亀梨先生が、指を指しながら教えてくれる。
「風邪から来る急性中耳炎だね。
このあと小児科とかいく？」
「いかない！」
もう、祐君に聞いてる訳じゃないのに。
「迷ってるんですよね。
この調子だし、泣き叫んで余計に体力使わせるのもなーって。」
「そうだよねー、あの音量でってなったら、かなり体力使うもんな。
じゃあ、こっちで抗生剤と痛み止めを出しておくよ。何かあっても、心強い兄ちゃんと旦那がいるもんね。」
「普段は厄介ですけどね。」
「そんなこと言ったら、3人とも泣くよ。
あと、点耳薬も出しておくよから、朝晩使ってね。
やり方分かる？」
ああ、あの気持ち悪くて最悪なヤツか。
されたことはいっぱいあるけど、自分がやったことなんてない。
祐くんにやるのも大変だろうな。
「分からないです。」
「じゃ、いま朝の分をここでやっちゃおっか。
祐くん、一回ベッドに寝ん「イヤ！！」
まだ言い切っていないうちから、イヤイヤが始まった。
先が思いやられる。
「でも、これやらないと大変なことになるんだけどなー。
お耳の中、切らないといけないんだよ。」
亀梨先生、脅しが怖いです。
祐くん固まってます。
聞いただけでゾッとする。
亀梨先生は、祐君が恐怖で固まった瞬間、素早く耳に薬を垂らした。
「きもちわるいーー！！」
もちろん、祐くんは大泣きだ。
「もう全部終わったよ。
頑張ったから、飴あげる。ほら、あーん。」
怒ってますアピールをしながらも、飴欲しさに素直に口を開ける祐くんは、とても可愛かった。
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かな - このお話大好きです！更新まってます！ (2019年3月15日 20時) (
レス) id: 370aedeca5 (このIDを非表示/違反報告)
まさ - 更新楽しみにしてます！ (2018年12月30日 11時) (レス) id: 1a9a4a3f85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いております。リクエストなのですが、主人公ちゃんが体調を崩してしまったけど、それを隠してシゲと外に出かけてその出かけた先で主人公ちゃんが倒れてしまうようなお話が見たいです！ (2018年11月20日 7時) (レス) id: d682aba4cc (このIDを非表示/違反報告)
はるあ(プロフ) - 増田くんお医者さんバージョンも見たいです！ (2018年11月12日 11時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
gaku2010aya(プロフ) - はじめましてです。いつも楽しく読んでます。もしよければ、ゆうくんが体調を崩して入院してしまうお話が読みたいです。よろしくお願いします (2018年11月11日 23時) (レス) id: 745be5a5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2018年11月4日 10時
