風邪2 ページ2
朝はなんとも無かったのに、学校についてしばらくしてから喉に違和感を感じ始めた。
それは次第に、確実に痛みへと変わっていく。
「Aちゃん、大丈夫？
声変わってるよ。」
体育中に脚を捻って保健室にやってきたコウキくんに、指摘される。
まだ若いからか生徒からは大体、名前にちゃん付けで呼ばれる。
「そう？気のせいじゃない？
はい、これで様子見てみて。
もし腫れてくるようなら、受診してね。」
湿布を貼って、テーピングで患部を固定する。
「ありがと。
Aちゃんも、酷くなる前に受診しろよ。」
笑いながら言い返すコウキくんを見送り、タメ息をついた。
もしかして、そんなに風邪を引いたってバレバレなんだろうか？
いや、大丈夫だよね！
きっとコウキくんが鋭いだけだ。
「Aちゃーん、頭痛いから熱測るー。」
入れ替わりで入って来たのは、3年生のユイちゃんだ。
「3年生は、色々と忙しいからね。
疲れが出て、風邪でも引いちゃったのかな？
頭痛の他には症状ある？」
「ちょっとダルいくらい。
っていうか、Aちゃんも風邪引いてるでしょ？」
ユイちゃんにもバレてる？
「もう、ビクッとしすぎ。
声、いつもと違うもん。それに、顔もちょっと赤いよ。
はい、熱測って。」
なぜか熱を測りに来たユイちゃんから、私が熱を測らされる。
少しすると、ユイちゃんの体温計が鳴った。
「あ、熱は無いや。
テストも近いから、とりあえず教室に戻るね。」
ちょうどそこで、私の体温計も鳴った。
「Aちゃんは何度だったの？」
ユイちゃんは、私が体温計をケースにしまう前に覗き込む。
「うわっ、37.6℃じゃん。
え？大丈夫？」
「大丈夫大丈夫。平熱高いから。
授業、頑張って。」
「はーい。」
ユイちゃんにはそう言ったけど、内心はかなり焦っている。
実際私の平熱は低めだし、今日は慶にぃのいる家に帰る。
そしたら、診察は避けられない。
もう一つ心配なのは、祐くんだ。
体が弱い祐くんに風邪を引いている状態で会ったら、移してしまうかもしれない。
しかし、私に会えないと知ったら祐くんはグズり出すだろう。
どうしようかと考えながら、私は書類仕事で気を紛らわせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 205人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かな - このお話大好きです！更新まってます！ (2019年3月15日 20時) (
レス) id: 370aedeca5 (このIDを非表示/違反報告)
まさ - 更新楽しみにしてます！ (2018年12月30日 11時) (レス) id: 1a9a4a3f85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いております。リクエストなのですが、主人公ちゃんが体調を崩してしまったけど、それを隠してシゲと外に出かけてその出かけた先で主人公ちゃんが倒れてしまうようなお話が見たいです！ (2018年11月20日 7時) (レス) id: d682aba4cc (このIDを非表示/違反報告)
はるあ(プロフ) - 増田くんお医者さんバージョンも見たいです！ (2018年11月12日 11時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
gaku2010aya(プロフ) - はじめましてです。いつも楽しく読んでます。もしよければ、ゆうくんが体調を崩して入院してしまうお話が読みたいです。よろしくお願いします (2018年11月11日 23時) (レス) id: 745be5a5f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アキ | 作成日時：2018年11月4日 10時
