寂しがり屋の独り言【王室教師ハイネ】 (ページ9)

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8話「お食事」ページ9

その後は、第二王女のアデルの自己紹介がハイネの前でされる。その光景に、リヒトは「ヒューヒュー！お子様カップルー！」と、ハイネをからかっては、ブルーノに関しては「師匠の嫁など…おこがましい！」と感情を抑えきれてなかった。

だがまぁ、歓迎会だ。カイはひょいとハイネを抱き抱える。それと丁度に、調理師の皆様から最高のディナーでハイネを迎えるため、色々な料理を持ってきてくれた。

ブルーノの細かいことで、ハイネは前の席に至っては座ることにする。机の上にある綺麗で美味しそうなディナーに、皆が歓声をあげた。

「凄いですねっ。ハイネ先生！」

「えぇ、とても美味しそうです。」

ハルが笑顔でハイネに声をかければ、ハイネは頷きながら答えた。
あまり動かない表情筋だが、ハルから見てはハイネは喜んでいるのではないかと思う。受け入れたからか、それとも別の理由か。それは、今はハイネしか知らないこと。このことに関しては、ハルは聞かないことにした。

「では、自分が企画したので、僭越ながら自分が…」

こほんと、ブルーノが改まれば、飲み物が入ったコップを持つ。皆も、それを持てば、準備はOKだ。

「乾杯！」

「「「「「「乾杯っ！」」」」」」

ブルーノを掛け声と共に、乾杯の声が重なる。あとは、それぞれ個人個人で「乾杯」と、コップをチンッと合わせては、ガラスが合わさった音が鳴った。
「では、お食事を召し上がってください。」と、ブルーノから言われては、皆は食べ始めた。今回の主役のハイネも、ナイフやフォークを丁寧に扱い食べ始めた。

その後は、各王子たちが何をしたかの紹介など。ハイネに至っては、ハルも手伝ってくれて驚いていては、申し訳ないと頭を下げるが、「頭をお上げになってください。」と、ハルは少しばかしか慌てた。そして、言葉を付け足す。

「私が勝手にやったことですから。主にやったのは、兄様方です。私はほんのちょっとのお手伝いですよ。」

「えぇーっ！ハルも、結構手伝ってくれたのにー？」

「私は飾り付け程度ですよ。」

苦笑を浮かべて否定をするハルだが、王子達から見ても手伝いレベル以上にやっていると感じている。

「あっ、見てください。今回のメインディナーですよっ。」

ハルが指さした所には、配膳員の人が持ってきてくれた今回のメインディナー。レオンハルトが自分で鹿を仕留めたものを焼いたものらしく、レオンハルトは無意識に立ち上がる。のだが…

「……え？」

そのお肉は、こんがりと真っ黒に焼かれていた。