4話「睡魔の誘い」 ページ5
次の日。
歓迎会の準備を、夜遅くまで軽くやり、残りは今日の歓迎会前の時間があるときにやることになった。
昨日の夜は、無事にレオンハルトと王室教師のハイネも見つかって、レオンハルトも無事に参加することができた。…寝不足には、なってしまったけれど。
「眠いですね…」
うとうとと、つい寝落ちしてしまいそうなくらいの睡魔の誘いに、首を何度もこくりこくりとしてしまう。ベッドからも、出たくない気分。
「…用意、しなくては。」
基本、規則正しい生活をしているハルにとっては、本当に珍しいことだった。
でも、顔をパシンと叩き、眠気を少しでも無くそうとする。
いつもの服装に着替えて、朝食を食べに向かった。
「どうしたんですか?ハルお姉様。」
全然、食べるスペースも遅く、何度も寝落ちしてしまいそうになっているハルを、金髪のふわふわロングに、ピンク色のドレスがよく似合うハルの可愛らしい妹の第二王女のアデルが心配する。
アデルにとって、ハルは憧れだ。
自分と同じ王女で、とても優しく、その綺麗な髪と顔立ちに、アデルはいつも顔を輝かせていた。だけど、いつもの様子とは違う彼女を、アデルは不安な気持ちだった。
「寝不足なだけですよ。」
それでも、優しい笑顔で撫でてくれたハルに、アデルもつられて笑顔になる。
「さぁ、食べましょうか。」と進めたハルは、さっきとは違ういつもと同じペースで優雅に食べるのを再開した。
「すまない。師匠のためだからといって、無理させてしまって…」
その様子に罪悪感がわいたブルーノは、丁寧にハルに謝る。「大丈夫ですよ。」と笑い「それに、ほら、見てください。」とハルが指差した先には、ハルと同じように眠そうにしているレオンハルトに、ブルーノは苦笑した。
「まっ、俺も眠いしーっ。」
「後で一緒にお昼寝しますか?」
「それは子供っぽいから遠慮する…」
冗談混じりで言ってみたが、即答で断られてしまった。それなら、私は後程一人で仮眠をとりますか。睡魔の誘いに、また私は誘われてしまったのだった。
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猫夜桜((シラキ(プロフ) - あ……………これすき← (2018年8月19日 18時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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