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38話:泣かせてしもた ページ8

「それより、Aさん…
お体は…?」

『うまくしゃべれないだけ、とくにない』

「…そうですか…」









あれ、落ち込んだ…声が出なくなった訳じゃ
ないから良いのに…何故だろうと言葉を待つ。









「…大切な声なのに…手も…」









あーそういう事か、



俺の声が出なくなるって事は、
歌えなくなるって事だ、

しかも手も使えなくなるという事は小説も書けない、それに沖矢さんは負い目を感じているのだろう。









「ごめんなさい…ごめんなさい…!」

『おきやさん』

「僕が…奪ってしまって…!」

『おきやさん』

「すまなかった…こんな、俺が…」

『おきやぁ!!』









俺の大声にビクッ!と大袈裟な程に体を震わす沖矢さん、最後に至っては赤井さん漏れてたぞ、





これでよくFBIが勤まるな←





沖矢さんが顔上げると、あ…



泣いていた、しかも結構ポロポロと、
なるべく見ない様にしてその顔を俺の
体に抱き寄せた、包帯だらけの体に。









『おこってない、たいしていたくもない、
けどおきやさんがけがしてたらもっといたい』

「…ぇ」

『おれはいたくない、いたくないけど、
おきやさんがけがするほうが、つらい』

「…A…さ…」

『ぶじでよかった』









その抱き寄せた頭を震えた手で
ゆっくり撫でて落ち着かせる、





はぁー母性が震えるぅうううう!!






…ちなみに言葉は本当だ、沖矢さん
じゃなくて良かったと心底思ってる。









「…すみません…しばらく…このままで…っ」









そのまま撫で続けていたらそんな小さな呟きが聴こえた、沖矢さんの肩が震えてる、俺の胸がじんわり濡れて来るのが分かったが…



気にせず泣いている沖矢さんを
抱き締め、撫で続けた。
_________________________________________


「…見苦しい物をお見せしてしまって、
すみませんでした…」









顔(と目)が真っ赤な沖矢さんに
少ーしだけ笑って無言で答えた、
余程恥ずかしかったのだろう。

39話:またお見舞い→←37話:目覚めたフリ



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ポテト - 主人公が赤井さんに起こる場面のセリフ「おきやぁ!」が「おぎゃぁ!」に見えてしまって吹きました笑 小説面白いです!頑張ってください! (2023年1月26日 20時) (レス) @page18 id: 1c2bcbd3b2 (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant(タイラント)(プロフ) - みねさん» えー、一分曲だと思うんですけど、【すりぃ】さんのですよ?後ありがとうございます! (2021年2月27日 11時) (レス) id: 8824dda887 (このIDを非表示/違反報告)
みね - あの〜、今更ですけどエゴロックって3分ぐらいあると思います。後最高でした! (2021年2月26日 7時) (レス) id: 020e8c48d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tyrant(タイラント) | 作成日時:2020年3月23日 23時

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