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48話;怒られた ページ18

責められるのは当然の事、だがやっぱり彼に嫌われるのも責められるのも怖くて仕方がなかった。





嫌われたく、なかった。





大好きな彼だから、此処まで俺を
変えてしまう程愛した人だから。









「すまなかった…こんな、俺が…」

『おきやぁ!!』









呂律の回ってない大声に驚いてビクッ!
と怯えた、怖い、怖い嫌われたくない、









けど、彼が言ったのは俺が
思っていたのと間逆の答えだった。









 









『おこってない、たいしていたくもない、
けどおきやさんがけがしてたらもっといたい』

「…ぇ」









彼は五日の眠りで凝り固くなってしまった顔で無理矢理ぎこちない笑顔の表情を作った。









『おれはいたくない、いたくないけど、
おきやさんがけがするほうが、つらい』

「…A…さ…」

『ぶじでよかった』









そう言ってA君は俺の頭を
震えた手で抱き寄せ、撫でた。









っ…そうか、そうだった、









彼は、そんな人じゃなかったっ…、
俺が、間違っていたっ…!








いつの間にか流れていた涙を拭う事も
忘れて、彼の肩、背に腕を回した。



そして…









 









「…すみません…しばらく…このままで…っ」









みっともなく、泣いてしまった。
_________________________________________



「…見苦しい物をお見せしてしまって、
すみませんでした…」









我に帰り、とにかく恥ずかしかった、
顔が熱い、うぅ…俺は何て事を…。





そしたら彼は無言で笑っただけだった。









「!?…もう声が…」

『だいじょぶ…あまり…な?』

「…喋りたくないんですね、分かりました」









すぐに察して立ち上がる。









「では、また明日同じ時間帯に来ますね」

『…あした、げつよう…』









あぁ彼は優しい、
細かい所まで気が付いてくれる。









「Aさんの為なら一日位良いんですよ」

『………そか』

「…名残惜しいですが、もう行きますね、
…では、お大事に…」









…次はこの五日間の話でもしようかと、昨日と打って代わって晴れた気持ちで車に乗り込んだ。







〜数日後〜





『沖矢さんこんにちは、今日もよろしくな』







 

あの時と比べ物にならない位元気に
なった彼を見てとても安心した。

49話:仕事でリゾート地へ→←47話;彼が目覚める



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ポテト - 主人公が赤井さんに起こる場面のセリフ「おきやぁ!」が「おぎゃぁ!」に見えてしまって吹きました笑 小説面白いです!頑張ってください! (2023年1月26日 20時) (レス) @page18 id: 1c2bcbd3b2 (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant(タイラント)(プロフ) - みねさん» えー、一分曲だと思うんですけど、【すりぃ】さんのですよ?後ありがとうございます! (2021年2月27日 11時) (レス) id: 8824dda887 (このIDを非表示/違反報告)
みね - あの〜、今更ですけどエゴロックって3分ぐらいあると思います。後最高でした! (2021年2月26日 7時) (レス) id: 020e8c48d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tyrant(タイラント) | 作成日時:2020年3月23日 23時

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