第50話 真っ白+続編 ページ50
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一面に広がる、真っ白な景色。
それに太陽の光が反射して、キラキラ光る。
澄み切った空は、息を呑むほどに美しかった。
「雪、積もったね」
相変わらずの、ふわふわした笑顔を頬に浮かべながら、Aが俺を見上げる。
『そうだな』と呟き、そのやわらかな髪に指を通す。するとキミは、くすぐったそうに笑った。
そんな、なんてことない仕草すら、愛おしくて、たまらない。
キミの全てを、この手にぎゅっと、抱きとめておきたい。
こんな風にしてさ。
ぎゅうっと腕の中に包み込むと、Aは『くるしい』と小さくうめく。
嘘。
ホントに苦しかったら、そんなに嬉しそうにしねぇから。
「ねぇ、鉄くん」
「ん?」
「今日くらい、勉強サボってもいいかな」
「いいんじゃない?」
「よしっ、じゃあ、雪だるま作りに行こうよ」
「ぷっ、言うと思った」
『早く』と、俺を急かすその手を握り返した。
36度あまりのその体温に触れた途端、心まで溶け出してしまいそうな気がした。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!🫶🏻🫶🏻
続編を作ったのでぜひ!!
密やかなとき2【黒尾鉄朗】
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作者名:pomme | 作成日時:2022年5月20日 7時