触れて確かめて２【豪炎寺修也】 (ページ1)

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第51話　しあわせの合図ページ1

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「ねぇ、やっぱギュッてしていい？」

今の豪炎寺くん、なんかすっごく可愛くて、今すぐ抱きしめたい衝動に駆られた。

「ダメだ」

相変わらず頬を染めたままの豪炎寺くんがぶっきらぼうに言う。

そんなに照れなくてもいいのに。君のいろんな表情は、私にとって特別なご褒美なんだから。

とか、気持ち悪がられそうだけど、本気で思ってる。

気持ち悪がらないでね？お願いだから。

ギュッてするのがダメならせめて……と、手を繋いだ。

私の手より一回り大きい、男の人の手。

可愛らしいシュウくんからは想像つかないくらいたくましくて、自分から繋いだのにちょっとドキドキした。

指を絡めて、君の表情を伺う。

ちょうどこっちを向いた豪炎寺くんが目を細めた。

それが合図になったみたいだった。

お互いに吸い寄せられるように、唇を重ねた。

握りしめていた貝殻がベンチの上で跳ねて、軽い音を立てる。

何度も何度も角度を変えながら、離れていた時を、想いが通じた今を、確かめるようにキスをした。

顔を見合わせると、豪炎寺くんも照れたようにちょっとだけ笑った。

君が頬に触れたら、同じように私も触れて、口付けを交わした。

心がふわふわと宙に浮いた。

あたたかくて心地よくて、ほんのり甘い痛みが胸をついた。