触れて確かめて２【豪炎寺修也】 (ページ27)

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第77話　強気になりたいページ27

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指さした先……。

「もしかして、修…豪炎寺くんって」

意を決して尋ねた私の言葉を遮って、『やっぱり豪炎寺目当てですか？』と、彼は大袈裟に身を乗り出した。

やっぱりって何。

ドロリとした嫌な感覚が胸に広がる。

「あそこにいる人みんな…？」

秋が苦笑いを浮かべながら、人混みに目をやる。

答えは聞かなくても、彼の表情を見れば一目瞭然だった。

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「ねぇ、秋？ほんとに行くの？」

秋の腕をぐいっと引っ張る。

行きたくない。てか、見たくない。
し修也目当てで来た女の子に囲まれてるところとか。

初めの頃に感じていたような、嫉妬にも似た、もやっとした気持ち。

二人でいるときにはすっかり忘れてたその感覚が、たった一瞬、ほんの一瞬で鮮明に蘇った。

「ねぇ、やっぱり帰ろうよ。私たちが行っても困らせるだけかも…」

もう一度腕を引くと、秋はにっこり笑ってそれを制した。

「何渋ってんのA！悔しくないの？あの子たちに見せてあげなさいよ。豪炎寺くんの眼中にはAしかいないってこと」

秋が『ね？』ってウインクする。

「えぇ〜、え〜？」

そりゃあもちろん悔しいし、強気にガツンと言いたいって思うけど、私たぶんそういうの無理。

できない。そういうの、なんか怖くて。

なのに、秋はものすごーく楽しそうに私の背中を押した。