第61 話 ご褒美 ページ11
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鬼がいなくなり、やっと唇を離してもらえたところで、身体の力が抜けてそのまま修也の胸に倒れ込んだ。
「……何てことしてくれてんの」
修也の胸元にグリグリ頭を擦り付ける。
すると、『楽しかったな』と、意地悪そうに笑った。
「楽しくない……」
「まあ、そう言うなって」
修也は、教壇の下から這い出て、ふてくされる私の手を引っ張った。
「危なかったんだからね？」
「何が？」
絶対わかってるくせに。声出さずに耐えてた私を褒めてほしいよ……。
ニヤリと口角を上げる修也の頬をつねった。
『は〜い。そこまでで〜す。みなさんお疲れ様でした〜。逃げ切った人も、捕まった人も、鬼役の人も、体育館に集合してくださいね〜』
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「Aっ！」
トンっと後ろから肩を叩かれた。
「秋！どうだった？」
「残念ながら、あの後捕まっちゃったんだよね〜。Aはもしかして……」
「逃げ切れたんだ〜！」
「すごい！！」
「まあ、俺のおかげだけどな」
さっきのことを思い出して、横から入ってくる修也を軽く睨む。
「何？二人とも何かあった？」
「いろいろ、な？A？」
もうほんと、余計なこと言わなくていいから。
『何？気になる！』なんて、秋がめっちゃ興味持っちゃってるじゃん。
あんなの他人に教えるもんじゃないからね。その辺ちゃんとわかってる？
「いいから、ほら、整列しよう。整列」
「相変わらず頑なだねぇ。Aは」
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その後の集計の結果、うちのクラスが逃げ切った人の数、ご褒美カードの数共に一番多かったみたい。
気になるご褒美は何かというと、BBQ用のお肉とお野菜がちょっと良いやつになったのと、全員分のアイス。
それと、HBの鉛筆だった。
ご褒美が鉛筆って……。ねぇ。
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pomme(プロフ) - 鈴松しおん@誤字り姫さん» ありがとうございます！！そんなふうに言っていただけるなんて……！とても嬉しいです(;o;) (2020年12月24日 18時) (
レス) id: 79d93abb26 (このIDを非表示/違反報告)
鈴松しおん@誤字り姫(プロフ) - 完結お疲れ様です、そしてありがとうございます！見させていただいてる身としては本当に楽しかったです…! (2020年12月24日 12時) (レス) id: 260ef51d68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pomme | 作成日時：2020年10月25日 14時
