第40話 打ち明けるとき ページ40
．
「じゃあ、先輩、俺を避けてるのは誰のせいなんですか？」
いつの間にかじりじりと倉庫の隅に追いやられ、行き場を無くした。
目の前には怖い顔をした豪炎寺くん。
後ろは冷たいコンクリートの壁。
冷や汗が背中を伝う。
「教えてくれないんですか？」
少し怖い顔をしたを豪炎寺くんが迫ってくる。
「ねぇ……先輩？」
豪炎寺くんの冷たい指が、私の顎をゆっくりと撫でた。
「あ、あの子に……、豪炎寺くんの彼女に言われたから…」
さらに近づいてくる豪炎寺くんに耐えかねて、ぽろりと零したほんとのこと。
ドクンドクンと軋む胸。
無言のまま、豪炎寺くんの反応を待った。
嫌な緊張。
ざわざわと校庭を取り囲む木々が揺れる。
「……え？俺、彼女いませんけど…」
「えっ、え？あの子彼女じゃないの？」
ちょっと待って。
え？なにそれ、どういうこと？
あの噂は？
全然わかんない。ふたりはそういう関係って…。
…ほんとは、そうじゃないってこと？
「アイツが言ったんですか？」
豪炎寺くんは眉間に皺を寄せながら、混乱してる私に、そう言った。
「う、うん。あの、モデルの子」
そう返すと、豪炎寺くんはチッと舌打ちをした。
びっくりして目を見開く。
「くっそ、アイツ……」
そして、パッと顔を上げた。
「先輩、行きましょう」
「行くってどこに？」
「アイツのところですよ」
豪炎寺くんは、ぶっきらぼうに言って、私の手を取った。
「ま、待って…！」
前を歩く豪炎寺くんに置いて行かれないように、早足でその場を後にした。
掴まれたままの手首がどんどん熱をもつ。
こんな状況でも、私の心臓は高鳴り続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
pomme(プロフ) - 雪華さん» 高評価ありがとうございます！ごめんなさい…そのあたり詳しくないです（ ; ; ） (2021年3月18日 20時) (
レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!東方は知ってます？私は東方の霊夢・チルノ・大妖精・魔理紗は大好きです! (2021年3月18日 9時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - 星猫さん» 知ってるアニメ……？何ですかねぇ。メジャーどころはほとんど知ってるんじゃないかな〜と思います。イナイレはもちろん好きですし、あとは呪術とか金カムも好きです〜！ (2021年3月9日 20時) (レス) id: 7207ce4c56 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月9日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：pomme | 作成日時：2020年12月31日 5時
