第82話 キザなやつ ページ33
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片目を瞑る仕草も、恥ずかしくなるようなキザなセリフも、この人の手にかかれば全てがサマになる。
「Aちゃんが俺だけを見てくれるまで……。な？」
そう言って、いたずらっ子のようにくちびるの端をキュッと持ち上げた。
そんな時でも、切れ長の目は、どことなく涼しさを孕んでいた。
整った顔立ちと、爽やかで優しくて、大人っぽい声色。
黒尾さんを作り出す、素敵な要素。
そして、恥じらいもなく少女漫画みたいなセリフを吐く。
誰にでも……ではなく、ただ、目の前の私に向かって。
だからさ、胸の奥が甘くてぎゅうっとしちゃうのは、仕方がないと思うんだ。
違う。ダメダメと、頭の中で首をブンブン横に振る。
私には影山くんがいて、私はこれから、影山くんに謝らなくちゃいけない。
……そう、頭ではわかってる。
気まずくて逃げてきちゃったことは、棚に上げながら。
彼のまとう、クラクラするほどの大人の雰囲気に惑わされないように。『黒尾さん、酔ってます？』と、冗談混じりの返事をした。
「酔ってるよ。Aちゃんに」
「…………バカ？」
「ふっ、先輩にバカとはねぇ……。でも今の可愛かったから、もう一回言ってくんない？次は“鉄朗くんのバカ♡”って」
「何言ってるんですか。てかもう休憩終わるから帰りましょ？」
「相変わらず釣れないねぇ」
結局トイレ行けてないし。
……というか、まって。一緒に戻ったらまた誤解されちゃう？
そう思ってるのが黒尾さんにバレてたのか、『帰りは別々にしとく？』と、彼はクスリと笑った。
黒尾さん、言ってることと、やってること真逆な気がする。
“俺だけを見て”と言いつつ、今みたいな、謎の配慮をしてくれたり。
だからなのかな。思い切り突っぱねられない。
阻むなら、心底悪い人でいてくれたらいいのに。
どっちに進むか決められないまま、またのろのろと蛇行する。
黒尾さんの気持ちまで、言い訳に使って。
どこまでも中途半端だ。
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pomme(プロフ) - riさん» ありがとうございます〜！！🫶🏻 (2022年5月21日 16時) (
レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
ri(プロフ) - 最高でした〜〜🥲💗💗💗 (2022年5月21日 10時) (レス) @page50 id: d86ac26d68 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - 黒猫。さん» いつもありがとうございます！！！黒猫さんの熱超ヤバいし、嬉しすぎるし、ありがたいしで狂っちゃう！もうほんと、マジありがとうございます🫶🏻🫶🏻頑張ります〜！ (2022年5月6日 20時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫。(プロフ) - うわああああ!!…わあ。語彙力吹っ飛びました!!もう！好き！コメ欄が黒猫ばっかになってすみません本当に！愛が溢れてまう…!!とりあえず主様を神と崇めさせていただいてよろしいでしょうか!!かっ…げやまぁ!!完結まで応援しますわ…影山との恋の行方を見届けます！ (2022年5月5日 20時) (レス) @page42 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - 黒猫。さん» ありがとうございます！！！嬉しすぎて、もう泣いちゃう！！素敵なありがたすぎるお言葉、何度も読み返してニンマリしてます……🫶🏻いい夢見れそう… (2022年4月11日 23時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pomme | 作成日時：2022年1月20日 23時
