黒尾くんのセオリー２【黒尾鉄朗】 (ページ12)

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第６２話　休憩時間ページ12

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翌日。

私にとっての練習２日目。もちろん、マネージャー歴も２日目。

それなのに、頬が緩んで仕方がありません。

今度のオフの日はデート。

そればかり考えちゃって、仕事にならない。

遠い鉄くんの背中に視線を送る。

俺が休みたいから休みにする…みたいな理論で、オフの日を量産してほしいです、黒尾主将、お願い。

「なーんか楽しそうだな、今日のA」

夜久くんが不思議そうにこっちを見る。

「えっ、そう…？」

と、まんざらでもないニヤケ顔をお届けすると、夜久くんはプハっと吹き出した。

「んだよ、その顔。ふにゃっふにゃじゃん」

「んふふ。ちょっと、いろいろあって…」

「何？俺には教えてくんないの？」

「う…えぇ、ひ、ひみつ。夜久くん、そんなことよりさ、練習、練習」

「今、休憩時間なんだけどな」

「そうだった」

「ぷっ、勘弁してよマネージャー」

夜久くんがククッと喉の奥で笑う。『Aって意外とおてんば系？』とか、余計なことまで言ってくる。

「ねぇ、ほら、福永くんがあんなところで暇してそうだよ。夜久さんに様子見てきてほしいなぁ〜」

強引にその背中を押すと、『わけわかんねぇ』と言いつつ、夜久くんはいつもの面倒見のいい笑顔を見せた。