第50話 作戦開始 ページ50
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あの黒尾くんが嫉妬するなんて。
しかも、その要因が私だなんて。
正直、むず痒い。
『俺が良いから良い』とか、いつでも余裕たっぷりな君が、私が違う子とちょーっと話したからって焦るなんて、らしくない。
でも、そういう一面、私にとってはご褒美かもしれない。
新しいあなたの顔を見つけられたという意味で。
責任の取り方なんて知らない。
でも私も、きっと黒尾くんと同じように、いろいろおかしくなってると思う。
マネジャーになることを承諾するしない以前に、毎日黒尾くんに会えるなら天職かもって考えちゃうくらいには。
キスの熱も冷めぬまま、ぽやっとしていると、黒尾くんが私に言う。
「さすがに元カノ追い出して、新しい彼女連れてきたとは言えねー。だから、今現在、俺とAは友だちって設定だ。
不本意にもな。
だから俺は、それを逆手に取る。
で、さっき思いついた。
降りてきた。
Aと俺がナチュラルに付き合ってる状態まで持ってく作戦が」
『何それ』と困惑気味に尋ねると、黒尾くんはエヘンと胸を張った。
「Aと俺が、ここで、毎日一緒に過ごすことで、だんだん距離が縮んでそういう雰囲気になって疑われることなく良い感じにな〜る作戦。略して…………A、略せる?」
「ふっ、略さなくてもいいでしょ」
「……たしかに。で、どうよ。この作戦」
「良いんじゃない?黒尾くんが良いって思うなら」
気の狂ってしまった黒尾くんの考える、気の狂った作戦。
そんなの単純に、ここにいる間だけ隠しちゃえば済む話じゃんって思った。
けど、今の様子を見ている感じ、黒尾くんの嫉妬その他もろもろの感情は、いつ爆発するかわからないから、彼の提案する作戦は、意外にも正しい道である気もした。
ほんとに、なんにもわかんないけど。
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続編です↓
黒尾くんのセオリー2【黒尾鉄朗】
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pomme(プロフ) - 処刑人さん» ありがとうございます🫶🏻🧚🏻♀️🫶🏻 (2月24日 11時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - ちゅき♡ (2月24日 1時) (レス) @page48 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます🙏🏻🥳 (12月25日 19時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - きゅんきゅんします💕続き楽しみにしております✨ (12月25日 5時) (レス) @page44 id: bad28e8810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pomme | 作成日時:2023年8月7日 23時