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第42話 夢うつつ ページ42







顔を上げると、黒尾くんは愛おしそうにこっちを見ていた。


思わず恥ずかしくなって、目を逸らそうとすると、間髪入れず、『俺と付き合って』と、黒尾くんは笑みをこぼす。


思いのほか真剣なその声にドギマギして、心ここに在らずな状態のまま、私は深々と頷いた。



「あの……黒尾くん」


「ん?」


「私も好き…です、黒尾くんの…こと」


たとたどしく言葉を紡ぐと、黒尾くんは『100点』って笑って、私の額にキスをした。





私の半端な脳みそは、今のひとときで完全にオーバーヒートしてしまって、もう、お魚なんて目に入らなかった。


黒尾くんが。

あの黒尾くんが、私のことを好きだと言った。

彼女と別れてすぐなのも、よくわかんないけど、キスしてくれた。


うそみたいだ。


ほんのついさっきまでなら、あり得なかったようなことが起きている。


私の目の前で、私自身に降りかかっている。



『ほんとに、私のこと好きなの?』とふわふわした頭で尋ねると、黒尾くんはやけにゆったりとした手つきで私の右手を取り、自分の指を絡めてそっと握った。


「好きだって言ったろ」


そう言って、私の顔を覗き込んだと思えば、今度は頬に柔らかい感触が降ってくる。



「疑ってる?」


訝しげなその表情に、ふと唐突に、あのことを思い出した。



「う、ううん。そうじゃないけど……」


「腑に落ちてない…的な」


「……あのね、実はこないだ見ちゃって。黒尾くんがキスしてたの」


「えっ?いつ?どこで?」


「先週、美術の準備室で」


私が口にした途端、黒尾くんは思い当たる節があったのか、『マジか』と、片手で顔を覆って、大きなため息を吐いた。



「……頼む。弁明させてくれ」

第43話 初めから→←第41話 相思相愛



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pomme(プロフ) - 処刑人さん» ありがとうございます🫶🏻🧚🏻‍♀️🫶🏻 (2月24日 11時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - ちゅき♡ (2月24日 1時) (レス) @page48 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます🙏🏻🥳 (12月25日 19時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - きゅんきゅんします💕続き楽しみにしております✨ (12月25日 5時) (レス) @page44 id: bad28e8810 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pomme | 作成日時:2023年8月7日 23時

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