検索窓
今日:18 hit、昨日:146 hit、合計:137,517 hit

第05話 変な理論 ページ5







眠そうにゆっくり瞬きをする黒尾くんへ、先生の問いに対する私の考えを、手短に伝えてみる。

私はこう思ったよ。じゃあ、あなたは?てな具合に。


「じゃあ、俺もそれで」


黒尾くんはそう言い、捉えどころのない笑みを浮かべる。


本当に、何なんだろう。この人は。

賢いのは知ってる。


けど、私が今まで目にした賢さと、彼の持つそれは、全くの別モノである気がした。


何もしなくてもできちゃう人。

彼はきっと、その類だ。


「ねぇ、黒尾くん。あなたって、何考えてるの?」


「何って……」


悩むそぶりを見せながら、『あ、ゴミ付いてる』と、黒尾くんは私の髪に微かに触れ、指先でホコリを摘む。


そして、そのホコリをふうっと吹き飛ばすと、少しだけ口角を上げた。



「Aのこと、考えてる」


一瞬ドキリとしたけれど、慌てて首を振った。


「黒尾くん、彼女いるよね?」


「いる」


「だとしたら良くないね、こういうの」


「俺は良いから良いんだよ」


「そういう問題?」


「そう、そういう問題」


黒尾くんはそれだけ言って、またいつものように、窓の外に目をやった。


私には、変わり映えのしない景色にしか見えなかった。






「Aは?」


「ん?」


「いるんだっけ、彼氏」


「……いる」


「そう」

第06話 彼とキミ→←第04話 かわいい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (139 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
493人がお気に入り
設定タグ:黒尾鉄朗 , ハイキュー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

pomme(プロフ) - 処刑人さん» ありがとうございます🫶🏻🧚🏻‍♀️🫶🏻 (2月24日 11時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - ちゅき♡ (2月24日 1時) (レス) @page48 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます🙏🏻🥳 (12月25日 19時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - きゅんきゅんします💕続き楽しみにしております✨ (12月25日 5時) (レス) @page44 id: bad28e8810 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:pomme | 作成日時:2023年8月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。