第39話 サイテイ ページ39
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何やってるんだろう、私は。
別れたことを伝えるだけでよかったのに。
今のじゃまるで、告白じゃないか。
『ご、ごめん、黒尾くん。また…後で……ね』と、顔も見ずに言った。
声がかすれて、涙が溢れそうで、焦って躓きながら、その場を去ろうとした。
それなのに、黒尾くんは『待って』と、私の手を強く引いたんだ。
「……なんで」
「いいから、ここで待ってろ」
黒尾くんはそれだけ言い、彼女の元へ足早に向かった。
「えっ?何?」
彼女の驚いた声が聞こえる。
黒尾くんはそんな彼女の表情に見向きもせず、『別れよう』と、静かに放った。
「期限はもうとっくに過ぎてるし、俺はお前を好きになることはないって何回も言っただろ。今さらジンクス色々試したところで、俺の気持ちは変わんねーよ。お前も、よくわかってんだろ?」
私たちの他に誰もいない静かな空間に、黒尾くんの冷めた声が響く。
「は?何?急に?」
彼女の焦りや戸惑いは、私にも伝染した。
期限?好きじゃない?別れる?
何?
二人は好きあってるんじゃないの?
見てはいけないものを目にしてしまったときみたいに、私はひとり、アワアワして、所在なくその場をうろついた。
黒尾くんはさっき以上のことは何も言わないまま、冷めた目で彼女を見下ろしていた。
耐えきれなくなったのか、彼女は『さ、最低!』と短く吐き、パシンと黒尾くんの頬を叩いた。
そして一目散に走って行った。
黒尾くんは彼女を追わなかった。
深くため息を吐いて、そこから一歩も動かなかった。
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pomme(プロフ) - 処刑人さん» ありがとうございます🫶🏻🧚🏻♀️🫶🏻 (2月24日 11時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - ちゅき♡ (2月24日 1時) (レス) @page48 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます🙏🏻🥳 (12月25日 19時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - きゅんきゅんします💕続き楽しみにしております✨ (12月25日 5時) (レス) @page44 id: bad28e8810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pomme | 作成日時:2023年8月7日 23時