おまじない【影山飛雄】

第03話　素敵な誘い ページ3

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桜の花びらもきれいに散り、新しい葉っぱが芽吹き始めた頃、日向からバレー部に入ったって話を聞いた。


あんなにバレーしたがってたのに、部員になるのおそくない？って訊くと、何やら事情があってとか言ってた。

明るくない事情なのかなぁって心配したけど、そんなのは不要だった。だってすっごく楽しそうにしているから。

日向にはこんなにも没頭できる何かがあることが、少し羨ましかった。




私には何かあるかなぁ、夢中になれること。高校生のうちに見つけられるかな……とか思いながら、ぐーっと伸びをした。

そのとき、どこから現れたのか、日向が目をキラキラさせながら一枚の紙を私の机に勢いよく置いた。


混乱しながら姿勢を正して、日向を見る。


日向が一瞬、真剣な表情をした。

えっ、なに？ますます困惑。ヤバい話でも持ちかけられんのかな…って一人でわたわたしてると、日向が口を開いた。


「Aさん、バレー部のマネージャーやらない？」




「……ん？マネージャー？何で？」


「３年生の先輩が募集しててさ、Aさんってまだ部活入ってないよね？」


「うん、入ってないけど…」


「これ、渡しとくから、考えてみて！それじゃあ、俺これから部活あるから！じゃあね！」


「ああ、うん、頑張って」


風みたいに怒涛のスピードで走っていく日向の背中に声をかける。たぶん、いや絶対聞こえてない。



「どうしよこれ」


机に置かれたパンフレットに目をやる。


マネージャーって何するんだろう。

やっぱり大変なのかな。

てか私、運動そんな好きじゃないし…。


バレー部の人ってみんな身長高そう。でも、日向はそんなに大柄じゃないから、そんなことないのか。


まだ入るとも決めていないのに、頭の中はバレー部のことでいっぱいだった。

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