64.ネガティブ発動ー808 ページ24
「んー、ストーリーのネタになりそうなキーワードをメモしてただけ」
「ふーん。やっぱ、本書いたり作詞したりする人ってそういうのやるんやね」
ヤスはやらへんけど、ミュージシャンの友達とか、やってんの見かける。
「ええのが書けるといいな」
「ありがと」
えへへって笑うAちゃんの笑顔は、いつもよりちょっと力強い感じがして。
ああ、頑張ってんねやなって。
「俺もがんばろ」
「うん」
「でもさ？頑張り過ぎもアカンやん？」
「えー？」
「パスタ食うたら、ちょっとベランダビールしよ！」
「ベランダビール！久しぶりにしたいかも！」
これから、俺もAちゃんも忙しなったら、こういう時間が貴重になるし。
まあ、なんていうか。
「いちゃいちゃしたいやんか」
「はい？」
「あ」
「心の声漏れ過ぎ！」
ケタケタと、俺が好きな笑顔と笑い声が部屋の中を満たした。
「「乾杯」」
少し蒸し暑いベランダから、ほとんど星が見えへん空を見ながら、キンキンに冷えたビールを喉の奥に流し込む。
「なあ、なんで突然また絵本描き始めたん？スランプ抜けた…って感じでもなさそうやし」
今日部屋に来た時から疑問に思ってたことを聞くと、
「うん、実はね」
Aちゃんは、担当の本橋さんに呼び出されて、『おひるねくまさん』の増版が決まったことや、その勢いに乗って新作を出したいと言われたことを話してくれた。
「そんで、OKしたんや。次描くこと」
「うん」
「大丈夫なん？」
「頑張りたい」
そう言い切るAちゃんの目が、ほんの少し揺れた気がして、覗き込んだ。
「な、なに？変かな…」
「んーん。Aちゃんのこと、応援しとるし。ただ…」
「ただ？」
「無理してるんちゃうかなって」
俺が言うと、
「無理、しなきゃいけない時もあるじゃない？」
と少し笑って、ビールをごくりと飲んだ。
「せやな」
「忠義くんも、あるでしょ？」
それに、って。
少し言い澱んでから、Aちゃんは言うた。
「びっくりしたの。安田さんが本紹介しただけで増版決まるくらい売れて。嬉しかった。けど、やっぱり忠義くん達って凄いんだなって思って」
「なにがー？」
「それくらい、影響与えるって凄い」
「んー…そうなんかな」
「あたしなんかが彼女で、いいのかなって」
消えそうなくらい小さな声で、そう言うたけど。
俺にはちゃんと聞こえてる。
「あたしなんか…って、またネガティブ発動しとる」
「うん。だから、頑張りたいの」
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菜々実(プロフ) - ちょびさん» ありがとうございます！嬉しいです♪このあとも2人の日常は続いていくと思いますが、平和にほっこりした日々を過ごしてほしいなーと言う願いを込めて、完結しました☆次回作も、ぜひ読みにいらして下さい！！ (2020年6月18日 18時) (
レス) id: 9f8e96caad (このIDを非表示/違反報告)
菜々実(プロフ) - かおりさん» こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました！寂しいと思って頂ける作品になって良かったです！ぜひまた読みに来てください(*'▽'*) (2020年6月18日 18時) (レス) id: 9f8e96caad (このIDを非表示/違反報告)
菜々実(プロフ) - 安紀子さん» 最後までお読み頂きありがとうございました！そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2020年6月18日 18時) (レス) id: 9f8e96caad (このIDを非表示/違反報告)
ちょび(プロフ) - となりのくまさん、とても可愛くて好きな作品です。悩んで作られた新作がまた可愛いくまさんとりすさんでほっこりしました。今後の二人がどう進展するのかと気にはなりますが、柔らかい雰囲気でラストになってるから、ハッピーに祝福したいですね。次回作も楽しみです (2020年6月17日 23時) (レス) id: 73b5440736 (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 菜々実さん！素敵な作品をありがとうございました。すきなひと〜や、デパートの王子様から。作品を心待ちにしてたので。終わっちゃって寂しいです。かわいくて、大好きな作品です。たくさん読み返させていただきます。また次の作品も楽しみにしちょります(☆∀☆) (2020年6月13日 10時) (レス) id: c32ad10686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々実
| 作成日時：2016年6月16日 22時
