〜56〜 ページ10
何時間寝ていたのか、目が覚めた時には辺りが薄暗くなっていた。
…ここはだれの部屋なの…？
わたしは布団で寝かされていたようだ。
そして、隣には今剣、壁際には薬研がいる。
寝ているらしく、全く動く気配がない。
‥‥わたし何で寝てたんだっけ…？
わたしが起きるのを待っていたのか、わたしのお腹を枕にして寝ている今剣をそっと撫でながら、ぼんやりとした頭を働かせて記憶の糸を辿った。
というか、海冬様の部屋から出てる！？
『帰らなきゃ…！』
慌てて起き上がろうとするとなぜか頭痛がした。
『‥‥ぁ、そっか‥‥』
わたし、薬研に何か薬を盛られたんだった。
‥‥薬を盛られた…？
どうして…？いつ？
きっとあのだし巻き玉子だ。あれに睡眠薬が混ぜられていたのだろう。
少しも疑わずに食べた事を後悔したが、今更遅い。
‥‥次からは気をつけよう
『‥‥あ、』
‥‥海冬様、どうなったんだろ…
いろいろと考えを巡らせてみるが、ここで何を考えていても進展はない。
海冬様は‥‥？
あの後、殺されてしまったかもと考えると居ても立ってもいられなくて、もう一度、今度はゆっくりと布団から出ようとした。
「ん‥‥あ、Aおきたんですね！」
わたしが動いたことにより、隣で可愛らしく寝息をたてていた今剣が起きてしまった。
「‥‥お、やっと起きたか」
今剣の声に反応したのか、薬研も起きて壁を離れ、こちらへ近づいてくる。
「顔色、少し悪いな。大丈夫か？」
薬研が心配そうに尋ねてきた。
『…海冬様はどこ？今すぐ会いたい』
今剣を撫でる手を止めた。
「…起きて開口一番がそれか」
呆れたように薬研が言う。
「それはむりです。Aはもうあるじさまのところにいなくていいんですよ！」
よかったですね、とわたしが同意することがさも当然のように言った。
『え…？』
どういう意味だ？
「Aにひどいことをするあるじさまはもうここにはいません！」
今剣は嬉しそうにそう言い放った。
『みふ、あ、主様を殺したの？！』
早く確認したくて、頭が痛むのを気にせず急いで廊下へ出ようとした。
「どこへ行く気だ？」
部屋の出入口に立ちふさがって薬研が言う。
『海冬様はどこ？おねがい、会わせてよ』
懇願と命令が混ざったような口調でそう頼んだ。
「駄目だ」
一言、冷ややかに告げられた。
「だが心配しなくていいぞ？殺してはいない」
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桃炎(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(^-^)続編、頑張りますね！ (2018年4月29日 22時) (
レス) id: 2fc09e070c (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - めっちゃ話の展開が好きで、面白いです！続編でも頑張ってください！ (2018年4月29日 21時) (レス) id: f6a4873bd8 (このIDを非表示/違反報告)
桃炎(プロフ) - 塩キャラメルさん» ありがとうございます！褒めていただけると俄然やる気でます！作者は文章力がないのでうまく表現できないところが多々あるのですが、これからも頑張るので見ていただけると嬉しいです！ (2018年1月28日 23時) (レス) id: 4c3f5bf6c5 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル - 初めてなのにこの完成度....!私には到底できないことをやる...!すごいですね!頑張ってください!ﾌｧｲﾄｰ!ヾ( ￣0)乂(0￣ )/ｲｯﾊﾟｰﾂ! (2018年1月28日 23時) (レス) id: ef2dbfdc67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜 | 作成日時：2018年1月27日 22時
