〜93〜包丁Side ページ47
お昼過ぎからずっと、予定がない短刀数振りで庭に集まって遊んでいた。
でも、お腹が空いたからかくれんぼの途中で部屋に戻ってお菓子を食べてたらいち兄が襖を開けた。
「包丁…もうすぐ夕餉だからお菓子は駄目だよ」
呆れたようにいち兄が言う。
そして、俺が今手に持っている分だけでなく、棚の奥に隠していたお菓子まで取り上げて、押し入れの一番上の段に置かれてしまった。
「いち兄、返して！」
自力で取り返そうとしたが手が届かなくて、いち兄に縋った。
でもいち兄は、夕餉が終わったら返すから今は我慢しなさい、と言って一向に返してくれる気配がない。
「もういいよ！人妻に貰ってくる！」
飴一つだけ、とまで断念したのに、その願いすら聞いてくれないいち兄にそう叫んで部屋を出た。
そして隣にあるAの部屋へ行くことにした。
‥‥Aは人妻じゃないけど
いち兄には人妻にもらうと言ったが、今の俺は人妻にはさほど執着してない(そもそもこの本丸に人妻はいない。まあAが居るから悲しくないけど)
Aの方が人妻より好きだ。大好き！
お菓子とられた〜って泣きつけばAはきっと甘やかしてくれる。
頼めばあのお菓子だって取り返してくれるかもしれないな〜なんて考えながら勢い良く襖を開けた。
「Aー！‥‥いない」
Aの刀と机と綺麗に畳まれた布団しかなくて、誰もいなかった。
‥‥どこ？
昼までは俺たちと一緒に遊んでいた。
そして昼餉の後に、疲れたから休むと言って部屋に入って行ったので、てっきり昼寝していると思ってたんだけど…
予想は外れたようだ。探すかここで待つか迷った結果、ここで待つことにして、Aの布団を敷いて寝転んだ。
‥‥遅い
何もせずに布団を頭から被っているだけだから長く感じるだけかもしれないが、もう一時間くらい経った気がする。
‥‥逃げたのかな‥‥
疲れたというのは嘘で、逃げるための計画だったのかもしれない。
見つけて連れ戻さなくてはもう会えない。
そう思いついて咄嗟に布団から出ようとしたが、それと同時に襖が開けられたので慌てて元に戻って動きを止めた。
暫くして、ゆっくりと掛け布団が捲られた。
『…包丁？』
声でAだと判断出来たので、聞こえた瞬間抱きついた。
『うぁっ！…ど、どうしたの？大丈夫？』
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桃炎(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(^-^)続編、頑張りますね！ (2018年4月29日 22時) (
レス) id: 2fc09e070c (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - めっちゃ話の展開が好きで、面白いです！続編でも頑張ってください！ (2018年4月29日 21時) (レス) id: f6a4873bd8 (このIDを非表示/違反報告)
桃炎(プロフ) - 塩キャラメルさん» ありがとうございます！褒めていただけると俄然やる気でます！作者は文章力がないのでうまく表現できないところが多々あるのですが、これからも頑張るので見ていただけると嬉しいです！ (2018年1月28日 23時) (レス) id: 4c3f5bf6c5 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル - 初めてなのにこの完成度....!私には到底できないことをやる...!すごいですね!頑張ってください!ﾌｧｲﾄｰ!ヾ( ￣0)乂(0￣ )/ｲｯﾊﾟｰﾂ! (2018年1月28日 23時) (レス) id: ef2dbfdc67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜 | 作成日時：2018年1月27日 22時
