〜74〜 ページ28
…急に肌寒く感じた。
『‥‥‥ん、‥‥‥』
薄(うっす)らと目を開けると、白い人が見えた。
‥‥あ、忘れてた‥‥
鶴だった。
鶴が起き上がり、掛け布団が捲れたようだ。
『‥‥鶴‥‥？』
「ん？あぁ、起きたか。おはよう、A」
何故か困惑しているような顔で鶴が言う。
『‥‥おはよう‥‥もう起きるの？早くない？』
まだ夜が明けきっていない。
「炊事の当番だからな」
『え、そうなの？わたし、手伝う！』
そう言って起き上がろうとしたが、鶴の手がわたしの頭を押したので、布団へ逆戻りさせられてしまった。
「駄目だ。まだ寝ていてくれ」
『どうして？手伝うよ！』
ああ…これかな、原因は…
困惑した様な表情である理由を推測して勝手に納得した。
‥‥部屋から出したくないとか考えてるね、きっと‥‥
わたしを起こしてしまえば、手伝うとわたしが言い出すことを予想していたのだろう。
『手伝う』
困らせたいわけではないがもう一度言った。
「朝餉が作れたら誰かに運んでもらう。それまではここに居ろ」
『…鶴！手、離して！』
起き上がりたいのに、鶴の手が額に宛てがわれたままで起き上がれない。
一向に離す気配のない鶴の手を何度も叩いて、やめてくれと訴えた。
「部屋で大人しくしていると約束出来るなら離してやってもいいぜ」
鶴の口角が上がっていて、この状況を楽しんでいるのが伺える。
『姉に向かって何だその態度！離して、…離せ！ばか！ばか鶴！』
「すまんすまん、驚いたか？」
ははは、と笑いながら鶴が言った。そしてあっさりと手を離してくれた。
『…驚いた。…鶴、案外力あるんだね』
鶴が、れあである事は知っていたが、細いから弱いと見縊(みくび)っていた。
「少なくともきみよりは強いと思うぜ？」
だから逃げるなよ、と鶴が言う。
‥‥今は逃げよう何て考えてないんだけど‥‥
『‥‥‥』
‥‥わたし鶴の姉だもん。本気を出せば鶴に勝てる。
意地を張ってそう言おうかと思ったが大人気ない気がして口を閉ざした。
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桃炎(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(^-^)続編、頑張りますね！ (2018年4月29日 22時) (
レス) id: 2fc09e070c (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - めっちゃ話の展開が好きで、面白いです！続編でも頑張ってください！ (2018年4月29日 21時) (レス) id: f6a4873bd8 (このIDを非表示/違反報告)
桃炎(プロフ) - 塩キャラメルさん» ありがとうございます！褒めていただけると俄然やる気でます！作者は文章力がないのでうまく表現できないところが多々あるのですが、これからも頑張るので見ていただけると嬉しいです！ (2018年1月28日 23時) (レス) id: 4c3f5bf6c5 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル - 初めてなのにこの完成度....!私には到底できないことをやる...!すごいですね!頑張ってください!ﾌｧｲﾄｰ!ヾ( ￣0)乂(0￣ )/ｲｯﾊﾟｰﾂ! (2018年1月28日 23時) (レス) id: ef2dbfdc67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜 | 作成日時：2018年1月27日 22時
