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今剣が鶴を呼びに行き、薬研と二人になった部屋は随分と静かだった。
「…A、大丈夫か？顔色が悪いが…」
そう言いながら布団へ戻るよう手で促され、わたしはおとなしく布団に入った。
『睡眠薬、わたしに使ったでしょ？量間違ってたんじゃないかな？頭がすごく痛い』
寝転ぶことはせず座った状態で、少し睨んで皮肉っぽく言ってみる。
「そうか、悪いな。燭台切の旦那に頼んで次からは量を減らすように言っておく」
『…え、薬研じゃないの？ごめんなさい、睨んじゃった』
表情を一気に変えて睨んでしまった事を詫びる。
「ま、料理に睡眠薬を混ぜるよう頼んだのは俺だからな。俺も共犯だ」
薬研は悪びれもなくそう言った。
‥‥謝るんじゃなかった…
『ん？…次もあるの？嫌なんだけどな…』
「次があるかはA次第だ」
『そう、なんだ』
わたし次第って…？
気になったが、まぁいいかと話を途切れさせた。
海冬様に会わせて、ともう一度頼もうと思ったが薬研はきっと、無理、の一点張りだろうと思い、やめておいた。
しばらく何も喋らずに黙っていると、不意に襖が開いた。
「鶴！…あれ？今剣は？」
鶴を呼び出しに行ったはずの今剣が見当たらない。
「夕餉を食べると言っていたぞ」
『そっか。鶴は食べたの？』
「ああ。まだ食べてないのはAと薬研だけだ」
鶴がわたしの隣に座った。
『そうなんだ。…今食べに行ったほうがいいよね？洗い物とか、遅いと迷惑かけちゃうし。薬研、食べに行こ！鶴、悪いけどついて来てー』
掛け布団を適当に折りたたみ、廊下へ出ようと立ち上がったわたしは、腕を鶴に掴まれた。
そして薬研が出入口に立ちふさがる。
『…何なの？二人とも』
僅かに苛立った口調になってしまったが、鶴も薬研も気にしていないようだ。
「飯、食いたいなら俺が持ってくる」
『いいよ、今から食堂行くし』
鶴の手を振りほどこうとしたができなかったので、鶴ごと動く事を思いつき、座っている鶴を力の限り引っ張った。
『つ、鶴…おもい‥‥』
ビクともしない。
『鶴、動く気ないの？だったら手、離してよ！わたし食堂行くから』
「A、ここにいてくれ。持ってきてやるから」
背後で薬研の声が聞こえた。
そしてトントンと歩く音がして、薬研が部屋から出て行ったのがわかった。
『あ、わたしも行く…！』
聞こえていないのか、無視しているのか、薬研の足音は遠ざかっていった。
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桃炎(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(^-^)続編、頑張りますね！ (2018年4月29日 22時) (
レス) id: 2fc09e070c (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - めっちゃ話の展開が好きで、面白いです！続編でも頑張ってください！ (2018年4月29日 21時) (レス) id: f6a4873bd8 (このIDを非表示/違反報告)
桃炎(プロフ) - 塩キャラメルさん» ありがとうございます！褒めていただけると俄然やる気でます！作者は文章力がないのでうまく表現できないところが多々あるのですが、これからも頑張るので見ていただけると嬉しいです！ (2018年1月28日 23時) (レス) id: 4c3f5bf6c5 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル - 初めてなのにこの完成度....!私には到底できないことをやる...!すごいですね!頑張ってください!ﾌｧｲﾄｰ!ヾ( ￣0)乂(0￣ )/ｲｯﾊﾟｰﾂ! (2018年1月28日 23時) (レス) id: ef2dbfdc67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜 | 作成日時：2018年1月27日 22時
