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ペン「じゃあこれ、ここ置いとくから！」
「はい、ありがとうございます」
ペン「中にあんのは適当に使って！」
ポンポンと私の頭を撫でたペンギンさんは、『ゆっくり温まりな』と言ってから脱衣所の扉をパタンと閉めた。
甲板で多少絞りはしたものの、まだびっしょりと濡れているワンピースを脱ごうとした。
…のに。
「…このタイプか…」
首の後ろにあるファスナー。
かろうじて指は届くものの、中々降ろすことができなかった。
まだペンギンさん、近くにいるかな…
そう思って扉を開けて廊下を見回すと、遠目にキャプテンさんの後ろ姿が見えた。
……非常に頼みにくい。
怖い訳ではなかったけれど、あのジトッとした目で見られると、何故かどうしようもなく自分が悪者のように思えるのだ。
それでも、早く私が入ってしまわないと、後が詰まってしまうだろう。
少し躊躇いながらも、彼の後ろ姿に届きそうな声で私は呼んだ。
「キャプテンさんっ…！」
振り返った彼は、案の定眉間に皺を寄せている。
スタスタと長い足でこちらに来ると、『どうした』と高い位置から見下ろされた。
私は苦手なその視線をチラッと確認した後、彼に背中を向けた。
「すみませんっ、その…ファスナーが、下ろせなくて…」
ロー「……は？」
「お手数おかけしますがおろして頂けるとありがたいですっ…！」
申し訳なさと羞恥心から、早口で彼にそう告げる。
全神経が自分の背中に集まったかのように、後ろの気配が気になって仕方がない。
少しした後、首に彼の指が僅かに触れた。
「っ！！」
ロー「なっ、ちげェ！髪どかさねェと挟まるだろーがっ！反応すんじゃねェ！」
「すみませんっ…！」
ロー「ちっ…ほら。めんどくせェ服着やがって。ここに乗ってる間は着るんじゃねェぞ」
「はいっ、ありがとうございましたっ…！」
再度早口でそう伝えたあと、脱衣場へ戻って扉を閉める。
そのまま彼の足音が遠ざかっていくのを聞いた後、残りのファスナーを下げてワンピースを脱いだ。
鏡に映った裸のままの私を見る。
見慣れない、自分の姿。
見慣れないはずなのに、どこか懐かしい感じもして。
身体を捩って見えるところまで背中も確認する。
…私に関する情報は、何も刻まれていなかった。
彼みたいに、タトゥーの１つでも入っていれば、何か思い出せたかもしれないのに。
お風呂場へ入って、熱いシャワーのお湯を浴びる。
目を閉じながら、私は甲板での会話を思い出していた。
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REI(プロフ) - ひかりさん» ひかりさん、ありがとうございます(*´-`)甘々ローさん大好きでよかったです！続編も頑張りますのでよろしくお願いします(๑˃̵ᴗ˂̵) (9月23日 12時) (
レス) id: 9412439390 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 続編おめでとうございますー！！！大好きな作品がまだまだ見れるということに歓喜しております笑甘々ローさん大好きです！！これからも更新頑張ってください！！ (9月23日 8時) (レス) @page50 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
REI(プロフ) - ひかりさん» ひかりさん、コメントありがとうございます☺️私には勿体無いくらいのお言葉を頂けて、物凄く嬉しいですっ😭❤️これからもご期待に添えられるよう頑張りますのでよろしくお願いしますっ🥰 (9月19日 13時) (レス) id: 9412439390 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 私ローさん好きなんですが、最近作品を読み尽くしてしまって探していたところにこの作品に出会えました😆読みやすく、とても好みな作品で愛読しています！評価、お気に入り登録当たり前体操です👍🏻身勝手ながら応援してます！更新頑張ってください！ (9月19日 7時) (レス) @page19 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
REI(プロフ) - 零尉さん» 零慰さん、いえいえ、ややこしいことをしてしまいこちらこそ申し訳ありませんでした🙇♀️暖かいお言葉までありがとうございます😭 (9月15日 23時) (レス) id: 9412439390 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：REI | 作成日時：2023年9月3日 22時
