ペテン師 Hokuto.M (ページ7)

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そんなやりとりから数時間が経った。

あんだけ酔いつぶれんなよ、

って注意してたのに目の前には完全に出来上がってすでに夢の世界へと向かった樹の姿。

「結局寝るのかよ」

『ごめんね？』

「嫌、別にいいんだけど。」

この通り、俺とAちゃんもさっきに比べて距離が近づいた気もする。

そりゃ数時間も一緒に飲んでたら、まぁ気まづいながらも仲良く話せるようにはなるわけで。

居酒屋の個室の中のこの状況。

まさにカオスってやつ。

『そうだ、北斗くん、
私も人のこと言えないけど、もうちょっとどうにかならない..？笑』

吹いちゃったの普通に焦ったんだけど。笑

Aちゃんは眉毛をハの字にしてこちらを見つめる。

「あ、はい。すみません...笑

って言っても、Aちゃんだってその都度こっち見てくるからそれもそれであれだよ？笑」

『まぁ、お互い様だよね.....』

はぁ....

2人のため息だけが部屋に響いた。

『樹もバカだよね..
私たちをこうやって鉢合わせるなんて。』

少しの沈黙の後に、彼女はゆっくりと口を開いた。

何故...

までは言わないけど、わざわざその話にまた戻るのかと不覚にも二度見してしまった。

『大丈夫だよ、こうなったら起きないもん。』

「いやそうだけどさ..」

「.....こんなにすぐにまた会うとは流石に思わなかったかな。」

『そんなの私もだよ。
絶対、昨日何にもなかったと思うもん』

「っ、バカ。
流石にそのワードはダメ」

やっぱり私も一杯だけ。

そう言って彼女も飲み始めたものだから少しガードがゆるくなってる。

お酒入ると雰囲気変わるもんだね。

『ごめんなさい、笑

ねぇ、北斗くんさ、
真面目だって言われるでしょ？』

「まぁ、君の彼氏よりはそう言われることは多いだろうね」

『うわ、言い方に悪意を感じる！笑』

「当たり前じゃん、込めてるし笑」

『....こんな真面目な北斗くんが、あんなこと起こすなんて何があったんだろうね、

覚えてても気まづいけどここまで何にも覚えてないと違和感ある..』

本当に、この子はなんてことを言いだすんだ。

俺さぁ。

朝言ったよね？

なかったことにしよう、って..

全然なかったことにしてもらえない。

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