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樹「北斗、今日バイトねぇだろ？」
人付き合いが悪い俺をいつも外に連れ出すのは樹だ。
俺のあらかたの予定を握られてる気がする。
彼女かよ。
「ねぇけど」
「でもカップルの邪魔するような趣味の方がねぇよ」
樹「あ？なら、お前の彼女も呼べばいいだろ？」
なるほど、そうきたか。
まぁ、昨日の今日でまだ樹には言ってなかったもんね。
「あー、その話？別れた。」
樹「はぁ〜〜！？
お前それは聞き捨てならん！
今日絶対来いよ！？19時にいつものとこな！」
A行くぞ！
『えっ、ちょっと..！
それ私いなくても....っ！』
Aちゃんの言葉にも俺の言葉にも耳を傾けることなく、樹はAちゃんの手を握ってその場を去って行った。
はぁ？
マジであいつ、嵐みたいなんだけど。
ってかどうすんだよ。
昨日の今日、いや今朝あんなことがあった後だぞ....
まいった。
面倒なことになったんだけど。
.
それから時というものは早いもので、あっという間に今日の授業が終わった。
こういう時に限って課題もないし何なのまじで。
何事もなくスムーズに帰宅してしまったが、どうにも腰が上がらない。
何が楽しくて、昨日抱いた女とその彼氏と3人で飯食わなきゃいけないんだ。
「ブチるか。」
そう決めて、俺は部屋着に着替えるべくソファから立ち上がろうとした。
が、それを止めるかのごとくインターホンが俺を呼ぶ。
絶対あいつだろ。
...その予感は的中。
画面を覗くとそこには、ニコニコと笑った樹がいた。
「はい」
樹「じゅったん優しいから迎えに来てやったよ〜！！」
「頼んでねぇんだけど」
樹「ん？なになに？
早く会いたかったって〜〜？？」
「うるさ笑」
樹「だって、北斗お前..
お迎えに来なきゃこねぇだろ笑」
あぁ、何もかもこいつにはお見通しだ。
こんなので俺彼女とのコト、こいつに隠し通せるんだろうか。
「はぁ.... 今から行く」
憂鬱な気分の中、重い腰を上げ樹の元へと急いだ。
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作者名：ミナ
| 作成日時：2019年9月18日 23時
