第三十九回 ページ40
こうして。
大先生の顔にパイが埋まったまま体育祭は幕を閉じた。
何故かって？ゾムが十メートル先からパイを投げたからだ。
「大先生まだ来ないん？」
「あのクリームの多さだとまだかかるんじゃない？」
ゾム曰く「ちゃんと低脂肪牛乳使ったで！」だそうで。
ちなみにパイは綺麗な部分を救出してゾムと大先生が美味しく頂きました。
「それにしても」
手伝ってくれているシャオちゃんが、持っていたパイプ椅子を立てかけながら言った。
「なんだか寂しいな。こうして見ると」
目線の先には広いグラウンドがあるだけ。私も足を止めて、沈む夕陽に目を細める。
お祭りの後というか、旅行の帰る準備をする時というか、片付いていって物が無くなっていく光景はなんだか寂しく感じる。
「また一つ行事が終わっちゃったな。テスト期間も始まっちゃうしな」
「そうだねえ。切り替えていかないとだね」
「古典やばいんだよなあ。あと世界史」
「私も物理やらないとな……」
振替休日の明日が過ぎれば、またいつも通りの日常。シャオちゃんはガシャガシャと椅子を持ち上げる。
「ま、お互い頑張ってこ」
「うん、そうだね！」
陽気に、それでいて真剣に。
シャオちゃんは軽い足取りで校舎の方へ去っていく。校庭には私一人残される。
ざあ、と風が頬を擦る。
こんな雰囲気だと、どうにも感傷に浸ってしまうのが人間なのではないだろうか。
恋、勉強、生徒会活動。
両立はいささか難しいようで。どれかひとつを取ると他は途端に崩れそうになる。だからといって全部平均的にこなすほど器用ではない。でもどれも大事たがら。
だからこそ、全部頑張りたい。
平均的じゃなくて、その上をいくように。器用で補えないなら努力で。レベルが足りないなら経験値を積めばいい。
「……よし！」
生徒会副会長A。
また今日から気張っていきます。
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さとうきび(プロフ) - 天ーてんーさん» コメントありがとうございます！今回は作品の中で唯一の純愛モノになっているので、最後まで読んでいただけると幸いです！ (2019年3月27日 23時) (
レス) id: a9eb261853 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - かっぷけーきさん» 一年越しのコメント返し、大変失礼しました。コメントありがとうございます！これからもどうぞご贔屓に、よろしくお願いします！ (2019年3月27日 23時) (レス) id: a9eb261853 (このIDを非表示/違反報告)
天ーてんー(プロフ) - 初めてコメントさして頂きます。天ーてんーです。いや〜ほんまもう....しんどい。うん、しんどいですわ。言葉で表現するのが難しいほどに好きです。更新頑張ってください！楽しみに待ちますので(*^^*) (2019年3月24日 19時) (レス) id: 0db831385a (このIDを非表示/違反報告)
かっぷけーき - こんにちは。「その娘、我々の狐と踊る」でもコメントさせて頂きました、かっぷけーきです。神秘的な空間とは打って変わって甘酸っぱい青春の感じ、本当にはまりました！これからもさとうきびさんの作品楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年3月25日 12時) (レス) id: 7858810c59 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - つさん» 少女漫画くらいの甘酸っぱさが出来ればなー、と思いながら更新しています。コメントありがとうございました！ (2018年2月23日 21時) (レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
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