第三十一回 ページ32
『続いては我が第二木丹高校伝統の応援部による発表です！今回の団長はなんと、我らが書記長！トントンが努めます！さあ会場の皆様！盛大なる拍手でお迎えください！』
うちの高校は吹奏楽部、サッカー部が強豪校だが、応援部は別のベクトルで有名だ。創立当初から存在し、毎年アメリカの方でパフォーマンスを行うほど。団長は毎回別の人で、今回はトントンに白羽の矢が立ったそうだ。
『よおシャオロン、面白そうなことやってんな！』
『おいゾム、マイク返せ！』
『あれ？ロボロはどこにおるん？』
『次の競技の準備で不在だってさ』
『Aまで！？お前真面目キャラやろ！？』
『あ、大先生はっけーん！おーい！』
遠ざかっていくゾムの声と、シャオちゃんの溜息。
『……えー、お見苦しい所を失礼致しました。気を取り直して、応援部によるパフォーマンスです！それでは、どうぞ！』
マイクのスイッチは切られ、代わりに今流行りのJ-POPがスピーカーから流れる。
「……いやほんとAがツッコミ放棄したら俺ら暴走するから」
「はーい」
「なんか熱でおかしくなってない？大丈夫？」
「へーきへーき」
「……ちょっとポカリ持ってくるから、機材見といてな」
そう言ってどこかへ消えるシャオちゃん。私はグラウンドを見つめる。もちろんトントンは集団の先頭に立っている。
「……押忍！」
あ、眼鏡外してる。赤いハチマキも似合うなあ。後ろのチアガールたちの演技もすごいけど、やっぱりトントンを見てしまう。
生徒会の仕事しながら、勉強もして、応援部の練習もしてたのか。……うん、すごい。やっぱりトントンはすごいや。私には手に届かない。
きゃあきゃあ黄色い歓声が飛び交う。放送係のテントの後ろを通った女子生徒達がひそひそと囁く。
「……眼鏡外したトントン先輩かっこいいよねえ」
「ほんとに。モテモテなんだろうなあ」
「でも好きな人いるんでしょ？」
……え？
「噂でしょー？そんなの本当か分かんないって！」
「そーかなあ？」
「そんなもんだって！ほら、早く応援行かなきゃ」
トントンに、好きな人？
「救護班から貰ってきたでー。ほら、A……A？」
……そうだよね。いたっておかしくないよ。でもいるって決まった訳じゃないから。でも私じゃないから。でも、でも、
「……やだよ……」
「A……」
「嫌だな、そんなの……」
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さとうきび(プロフ) - 天ーてんーさん» コメントありがとうございます！今回は作品の中で唯一の純愛モノになっているので、最後まで読んでいただけると幸いです！ (2019年3月27日 23時) (
レス) id: a9eb261853 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - かっぷけーきさん» 一年越しのコメント返し、大変失礼しました。コメントありがとうございます！これからもどうぞご贔屓に、よろしくお願いします！ (2019年3月27日 23時) (レス) id: a9eb261853 (このIDを非表示/違反報告)
天ーてんー(プロフ) - 初めてコメントさして頂きます。天ーてんーです。いや〜ほんまもう....しんどい。うん、しんどいですわ。言葉で表現するのが難しいほどに好きです。更新頑張ってください！楽しみに待ちますので(*^^*) (2019年3月24日 19時) (レス) id: 0db831385a (このIDを非表示/違反報告)
かっぷけーき - こんにちは。「その娘、我々の狐と踊る」でもコメントさせて頂きました、かっぷけーきです。神秘的な空間とは打って変わって甘酸っぱい青春の感じ、本当にはまりました！これからもさとうきびさんの作品楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年3月25日 12時) (レス) id: 7858810c59 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - つさん» 少女漫画くらいの甘酸っぱさが出来ればなー、と思いながら更新しています。コメントありがとうございました！ (2018年2月23日 21時) (レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
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