第二十三回 ページ24
「各クラスのハチマキはもう届いたってよ」
「じゃあそれの配布は本番の前日でええかな」
「グルさん、明後日までに校旗の貸し出し許可貰っといてください」
「じゃあこの件は体育主任の先生に話すということで。オスマン、そこの去年の資料取ってくれない？」
卓上に散らばるいくつもの紙。それらを一つ一つ確認しながら抜けのないように話し合っていく。
「各部活動の主将にこの紙を配る。あ、その期日間違ってるから修正入れといて」
「あとは選手宣誓の人選やな。去年は確かゾムとシッマやったっけ」
オスマンはペンをくるくると回しながら項目を指さす。私は去年の出来事を思い出し、思わず苦笑してしまった。
「ああ、ゾムがコネシマの顔面に七味唐辛子を振りまぶしたんだっけ」
「その後一時間は目が使い物にならなかったんやろ？せやな、ゾムは却下でいこう」
面倒なので身内から出す事にしたものの、最適な人がなかなかいない。そもそも選手宣誓が似合う爽やかな人なんていない気がする。
「シャオロンでいいんじゃね？」
「せやな。じゃあもう一人はコネシマで」
「あいつらなら当日に言ってもやってくれるやろ」
爽やかかどうかは知らないが、盛り上げにはもってこいの人選だと思う。どっちも野球部とサッカー部のエースでモテない事はないだろうが、中身は立派な男子高校生である。
「放送部との打ち合わせは明日やな。せや、応援部にも声かけとかなあかんな」
「吹奏楽部は今年は演奏しないって。移動が大変だし、今年はコンクールに力入れるらしいで」
付箋を貼る大先生は、参加する部活動の欄に蛍光ペンを引きながら言った。確かにそこには吹奏楽部の文字は見えない。
「残念だなあ……我が親友の演奏好きだったのに……」
項垂れるも、やるべき事はあるのでずるずると手元の資料の手繰り寄せる。
「グルッペン、そろそろ決めないと」
「ん、そういえばそうだな」
記入ミスがないか確認していたグルッペンを呼んで、紙を渡す。体育祭の目玉とも言える借り物競争についてだ。
「……まずは一人十パターン考えて、そっから考えるか。被ったら一つにする」
「マンちゃん、これどう思う？」
「ええやん大先生、俺も書こ」
「おい」
トントンが二人を牽制しているのを横目に、ルーズリーフに書き足していく。グルッペンもやる時はやるので、ペンを紙に走らせていた。
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さとうきび(プロフ) - 天ーてんーさん» コメントありがとうございます！今回は作品の中で唯一の純愛モノになっているので、最後まで読んでいただけると幸いです！ (2019年3月27日 23時) (
レス) id: a9eb261853 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - かっぷけーきさん» 一年越しのコメント返し、大変失礼しました。コメントありがとうございます！これからもどうぞご贔屓に、よろしくお願いします！ (2019年3月27日 23時) (レス) id: a9eb261853 (このIDを非表示/違反報告)
天ーてんー(プロフ) - 初めてコメントさして頂きます。天ーてんーです。いや〜ほんまもう....しんどい。うん、しんどいですわ。言葉で表現するのが難しいほどに好きです。更新頑張ってください！楽しみに待ちますので(*^^*) (2019年3月24日 19時) (レス) id: 0db831385a (このIDを非表示/違反報告)
かっぷけーき - こんにちは。「その娘、我々の狐と踊る」でもコメントさせて頂きました、かっぷけーきです。神秘的な空間とは打って変わって甘酸っぱい青春の感じ、本当にはまりました！これからもさとうきびさんの作品楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年3月25日 12時) (レス) id: 7858810c59 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - つさん» 少女漫画くらいの甘酸っぱさが出来ればなー、と思いながら更新しています。コメントありがとうございました！ (2018年2月23日 21時) (レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
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