四十三話 ページ43
「え？」
思わず変な声が口から出た。
「だから、こう敵にぎゅんってやったらぐしゃってなるからその時にドーン」
もっと分からなくなった。
ん？さっきまでめちゃくちゃ分かりやすい説明をしていたよね？
いや、でも今のは凄い、なんというか……下手だった。
「……もう一回お願いしていい？」
「いやガッとしてドーンって」
変わらない！
むしろもっと分からない！
「まあ実際にやってみよか。その方が覚えやすいやろ」
よしこい！とでも言わんばかりに鼻を鳴らす。コネシマ。
ええ、今の説明でやるの……？
私は助けを求めてシャオくんたちの方を見た。
「あいつ説明下手か！」
「シッマは仕方ないやろ。むしろ説明出来てたのが奇跡や」
「……Aがんばれー」
……助けてはくれなそうだ。
ええい、やれば何とかなるよ！うん！
ナイフを握り直し、先端部分をコネシマに向ける。
「お、やるか？」
「……急所」
胸、首、手首、顔、そして
「無防備なところ」
きっと私程度の攻撃ならば簡単に見破られてしまうだろう。
ならば、得意なもので勝負あるのみ。
懐まで走り、ナイフを横へ投げ捨てる。
驚いたコネシマの瞳が一瞬逸れた。
私はその隙を狙って、
カチリ、
「……どう、かな」
額に銃を突きつけた。
沈黙。
時間だけが止まったように、お互い一歩い動かない。
その静けさを破ったのは、大先生の呟きだった。
「……めっちゃ凄いやん」
「それどこから出したん？」
小型の銃を指さして尋ねるゾム先輩。
「ゾム先輩がナイフを隠し持つのと同じ要領です」
「つまり今も他に持ってると」
「そういうことです」
わー怖い、なんて笑う大先生。
まあいつ敵襲があるか分からないもんね。携帯しておくべきだ。
「敵の前で武器捨てるのは流石に危険やで」
「うっ……」
シャオくんが痛いところを突くと、コネシマも首を縦に振る。
「少しでも自分の手札はあった方がええで。もしかしたらナイフも役に立つところがあるかもしれへんし」
「……はい」
すると大きな手が伸びてきて、頭をぐしゃぐしゃとかき回した。
「まあ大丈夫やろ、後方支援ならそこまで敵は来させんよ」
「それは言えてるわ〜」
「……ありがとう」
なんだかくすぐったくなって、笑みが零れる。誰かと一緒にいるって、こんなに嬉しいことなのか。
ふとシャオくんと目が合って、胸が一瞬大きく鳴った。
……この嬉しさも、何かあるのかな。
まだ私には分からないことだらけだ。
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さとうきび(プロフ) - 怜さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。確認したところ特には異常ありませんでした。ご報告ありがとうございました。 (2018年5月18日 22時) (
レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 38話非公開になってませんか？ (2018年5月15日 0時) (レス) id: c7556a56f2 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - 夜狐さん» コメントを返すのが遅れてすいません。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2017年12月5日 22時) (レス) id: c845d614fc (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - 独奏さん» コメントありがとうございます！返すのが遅れてしまいましたが、これからもよろしくお願いします！ (2017年12月5日 22時) (レス) id: c845d614fc (このIDを非表示/違反報告)
夜狐 - 題名と内容が気になって見にきました！自分はこういうお話好きですよ♪次の更新楽しみにしてますね♪ (2017年11月7日 21時) (レス) id: 8cf2fbf423 (このIDを非表示/違反報告)
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