四十話 ページ40
隣で楽しそうに他のメンバーの話をするAさん。
俺はそれをずっと黙って聞いていた。
というか俺は！？不人気はいい所もないと！？
心折れそう、てかひとらん許さん。
「でも大先生にもいい所あるよ。周り見てるし、話すのうまいし、ね？」
可愛いらしく首を傾げて大先生に問いかけるAさん。
滅べ大先生。彼女に三股の浮気がバレてしまえ。
自分でも分かるくらい、不機嫌がなるのが分かる。大先生と目が合ったので、一言。
「大先生殺す」
うーむ、やっぱり死ね。
精一杯の悪態と恨みを込めて見つめる。
「ん？シャオちゃんは？」
ひとらんのその言葉に、隣を見る。
Aさんは真剣な表情をして、何かを考える。
あれ、ほんとに忘れられてた？存在すら不人気？お？
ちょっとだけ落ち込んだが、Aさんが口を開いた。
「シャオさん、ですか」
「付き合うとかは分からないですけど、一番好きですよ」
「近距離戦が強くて、話は飽きないし」
「んー、あ、さりげなく車道歩いてかっこいいなあって思った」
「いっぱい好きなところはあるけど、一番はシャオさんの笑った顔が好き」
脳みそが溶けるとは、こういう事を言うのだろう。
多分、俺の顔は真っ赤になっている。
それくらい嬉しいものだ。
「……ベタ褒めだねえ、シャオちゃん」
「てかデートしたの？いつの間にか」
ひとらんと大先生は、目を丸くしてAさんと俺を交互に見る。
Aさんはひと通り話した後、眠りこんでしまった。
「……偶然というか、まあ、そんな感じ」
「へえー、じゃあもうAの彼氏だね」
「おうシャオロンはよ抱いてこいや」
「あくしろよ」
いつの間にかオスマンとコネシマまでいて、辺りはまた騒がしくなる。
「彼氏でもないし、別に何も」
「じゃあ俺がAちゃんと付き合おうかな〜」
気楽に話すオスマンは、どこか楽しそうにしている。
「……それは駄目」
「けち！トントンの一生童貞！」
「いきなり俺の事情を出すなよ」
すやすやと気持ち良さそうに眠るAさん。
誰にも渡したくない。
普段の彼女を知っているのは俺だけ。
優しく笑い、可愛いものが好きな彼女。
全部、俺しか知らない。知られたくない。
だって、俺は最初から彼女に惚れていた。
一生会えないと思った。
それでも、また会えた。
今度こそ、気持ちを伝えていくんだ。
真っ直ぐ、褒めてくれた笑顔で。
もう、泣いている姿は見たくないから。
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さとうきび(プロフ) - 怜さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。確認したところ特には異常ありませんでした。ご報告ありがとうございました。 (2018年5月18日 22時) (
レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 38話非公開になってませんか？ (2018年5月15日 0時) (レス) id: c7556a56f2 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - 夜狐さん» コメントを返すのが遅れてすいません。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2017年12月5日 22時) (レス) id: c845d614fc (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - 独奏さん» コメントありがとうございます！返すのが遅れてしまいましたが、これからもよろしくお願いします！ (2017年12月5日 22時) (レス) id: c845d614fc (このIDを非表示/違反報告)
夜狐 - 題名と内容が気になって見にきました！自分はこういうお話好きですよ♪次の更新楽しみにしてますね♪ (2017年11月7日 21時) (レス) id: 8cf2fbf423 (このIDを非表示/違反報告)
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