二十七話 ページ27
いつだっただろうか。
コネシマとふざけながら城のトラップをかけていたときがあった。
どこかしらにスイッチがあって、押すと仕掛けが出てくる仕組み。
床が開いたり、抜け道が出てきたり、大砲が撃てるようになっていたり、
ーー攻撃を防ぐための壁が現れたり。
その壁が今、目の前に、
「シャオロ、ン！」
急いで引き返したゾムだか、俺は反応に遅れ、気がついたときにはもう壁に囲まれていた。
そして、今に至る。
「なあ、俺が君を倒せば我々の勝利なんよ」
「奇遇ですね、私もあなた方を倒せば勝つのですよ」
お互い一歩も引かない姿勢。
こっちは近接戦に持ち込めれば勝てる。しかし、間合いを詰められないと相手の思うつぼだ。
「……俺は」
久しぶりに楽しめそうな戦い。
「逆境であるほど盛り上がるんよな！！」
こんな戦い、簡単に終わらせたくない！
ライフルに持ち替えた女の子は、間髪入れずに撃ってくる。
かわしながら、懐へ入ろうと走る。時々シャベルで弾を防ぎながら。
しかし、相手も強い。
距離を取りながら、軸のぶれない射撃で何度も急所を狙ってくる。
絶対に負けたくない、負けられない。
それは両者同じ考えだろう。
同じような攻防が続くと、女の子はライフルを戻し、懐から銃を取り出して撃った。
「っ、やば」
「おっ、と？」
同時にシャベルを横に振り回した。
シャベルの先端がかすり、女の子の縛っていたゴムは切れて髪が空中で広がる。
シャオロンの帽子は撃ち抜かれ、床に叩きつけられる。
「あれ、あのときのーー」
女の子は手を降ろし、何か考えるような仕草をとる。
俺は、その悩んだ表情に見覚えがあった。
どこで、どこかで、
「……あ、の。人違いだったらすいません。
あなたの名前は、シャオロンさんですか？」
「もしかして、Aさん……？」
名前を呼ぶと、頭を縦に振った。
人は一つ変わって、武器を持っただけで分からなくなってしまうのか。
「Aさんも、軍人だったんやね」
「シャオロンさんも、幹部だったのですか」
「「面白い」」
最初に仲間として戦って、街で一緒に食事をして、今まさに戦っているのだ！
こんな展開、誰が予想したか。
それはAさんも同じようで、再び銃を構える。
「この戦いが終わったら、ゆっくりお話聞きたいですね」
「そうやな、俺に勝てたらやけどな！」
近接戦最強と遠距離戦最強は、ぶつかっていった。
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さとうきび(プロフ) - 怜さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。確認したところ特には異常ありませんでした。ご報告ありがとうございました。 (2018年5月18日 22時) (
レス) id: d7a52c799a (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 38話非公開になってませんか？ (2018年5月15日 0時) (レス) id: c7556a56f2 (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - 夜狐さん» コメントを返すのが遅れてすいません。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2017年12月5日 22時) (レス) id: c845d614fc (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - 独奏さん» コメントありがとうございます！返すのが遅れてしまいましたが、これからもよろしくお願いします！ (2017年12月5日 22時) (レス) id: c845d614fc (このIDを非表示/違反報告)
夜狐 - 題名と内容が気になって見にきました！自分はこういうお話好きですよ♪次の更新楽しみにしてますね♪ (2017年11月7日 21時) (レス) id: 8cf2fbf423 (このIDを非表示/違反報告)
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