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三十頁 ページ31

「ど、どうしたんですか!?」


あわてる私に、中国さんは「お湯を沸かしてこい。」と言った。

私がお湯を沸かしたばかりのやかんを渡すと、
中国さんは自分の家から持ってきたであろう 薬らしきものを出した。

そして、お湯に薬を溶かすとAに飲ませた。


「にーに…?」

「もう大丈夫あるよ。」


Aは薬を飲むと、すぐに寝てしまった。


「中国さん…
Aはどうしたんですか?」

「疲れの溜まり過ぎあるな。」

「…そうですか。」


何だか久しぶりに二人きりなので、落ち着かない。

しばらく沈黙が続いたが、やがて中国さんが口を開いた。


「最近、Aは我の家に来て お前と我の仲を戻そうとしてるある。」

「え…」

「本人はバレてないと思ってるあるけどw」

「Aらしいですねw」


穏やかな会話をしたのは何百年かぶりだろう。

中国さんはAの頭を撫でて呟いた。


「我な、Aにお前の事ばっかり話されて正直疲れたあるよ。」

「す、すいませ…」

「けどな、昔がどんなに幸せだったかって思い出せたある。」


私の言葉を遮るようについた その言葉には、彼の四千年の思い出が詰まっているかのように感じられた。


「今からあの時に戻れるかって言われれば無理ある。
けど、お前達は我の弟と妹には変わりないあるよ。」

「・・・。」



「んー…」

「あ、Aが大人しく寝てる内に我は帰るある。」

「あ、はい。
お気をつけて。」

「薬…明日取りに来るよろし。」

「ありがとうございます。」




その夜、私は考えた。
“中国さん” と “耀さん” と “にーに”…

私が求める中国さんとは何なのか。

逆に、私は何を求められているのか。


「分かりませんよ、にーに。」


投げやりに天井に向かって言った。

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設定タグ:ヘタリア , 本田菊 , 日本   
作品ジャンル:恋愛
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もっちゃん(プロフ) - 梗さん» ありがとうございます^_^ 二人とも謙虚なんでくっつけるのが大変なんですよ;; (2015年8月4日 16時) (レス) id: e6303f6e53 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主さんと菊さん可愛くて好きです(´∀`*)でこれからも頑張ってください。応援しています! (2015年8月4日 10時) (レス) id: 665c15b549 (このIDを非表示/違反報告)
もっちゃん(プロフ) - ソラさん» ありがとうございます。かっこいい菊さんも書けるように頑張りますねw (2015年7月30日 17時) (レス) id: e6303f6e53 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 小説面白い!そして菊さん可愛い!作者様頑張れー!(^o^)/ (2015年7月30日 17時) (レス) id: 8fbfb45695 (このIDを非表示/違反報告)
もっちゃん(プロフ) - そよかさん» ありがとうございます。コメントって、とっても励みになるから嬉しいです^_^ (2015年7月30日 10時) (レス) id: e6303f6e53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もっちゃん | 作成日時:2015年7月27日 12時

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